August 8, 2019 / 5:41 AM / 13 days ago

コラム:世界経済は既にリセッション入り、循環指標が示唆

[ロンドン 7日 ロイター] - 循環的な経済指標のほとんどは企業活動が停滞か、もしくは弱まっていることを示しており、世界経済はもう恐らくリセッション(景気後退)入りしている。

 8月7日、循環的な経済指標のほとんどは企業活動が停滞か、もしくは弱まっていることを示しており、世界経済はもう恐らくリセッション(景気後退)入りしている。写真はドイツ・フランクフルトの金融街。2018年10月撮影(2019年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

ほとんどの統計は実際の景気の動きに遅行するため、統計上リセッション入りが明白になったときには既に景気後退が確実に進んでいる。

通常は景気減速がかなり進んでからでないと、それが景気循環末期のリセッションか、循環中期の減速かを見分けることは不可能だ。

景気循環の権威であるエコノミストのビクター・ザーノウィッツ氏によると、リセッションの到来は、その時点では常に物議を醸し、普通はほとんどの予想が時期を見逃すという。

ザーノウィッツ氏は1992年に出版された著作で、政策当局者は消費者信頼感や企業景況感の悪化を恐れてリセッション入りの発表をためらい、事態がより悪化すると指摘した。

しかし景気循環の信頼できる指針となる主要な経済・産業指標のほぼすべてが今や、景気は既にかなり減速していることを裏付けている。

製造業調査、鉱工業生産、新規受注、設備投資、建設活動、自動車生産、貨物取扱量などに関する指数は世界中で前年同期に比べて横ばいか、悪化している。

最近の購買担当者調査や鉱工業生産の指数は、6月と7月に減速が悪化したことを示した。ほとんどの指標からは世界経済が2015年以来の深刻な景気減速のさなかにあることが読み取れ、さらには09年以来となる減速ぶりを示す指数も多い。

<経済指標は軒並み悪化>

金融市場とコモディティ価格は、景気は既にリセッションに入ったか、近くそうなる可能性が高いことを示している。

米国債利回りは逆イールド状態が2カ月以上続き、リセッション入りの確率が07年4月以来で最も高くなった。

国債利回りが急低下しているにもかかわらず、主要な株価指数は1年前と比べて横ばいか下げている。

独化学メーカーのBASFや米重機メーカーのキャタピラーといった景気循環株の代表格は、この1年間で急激に下落した。

原油価格は、米国がイランやベネズエラからの石油輸出に厳しい制裁措置を取っているにもかかわらず、4月末以降、22%以上も下げた。石油以外のコモディティも消費の伸びが減速したため、価格は18年半ば以降、横ばいか下落の動きとなっている。

<政策ミスが原因>

バーナンキ元米連邦準備理事会(FRB)議長は、景気拡大は「老衰で死ぬ」のではなく「殺される」のであって、多くの場合は政策ミスが原因だと述べて見せている。

この数十年を振り返ると、景気後退の大半は財政政策、金融政策、金融監督の何らかの過ちの組み合わせで引き起こされた。

ただ、今回は通商政策が問題の発生源になっている。保護貿易主義が急激に台頭し、世界的なサプライチェーンの組み換えが試みられたのだ。この結果、米国と中国の間で経済戦争が勃発し、両国で景気の先行き不透明感が強まり、設備投資計画が混乱、その影響が欧州やアジアに広がった。

世界各国の為政者は成長が続くと決めつけ、関税や反ダンピング税、制裁、投資規制などを大量に導入し、ついには景気拡大を危機的状況に陥らせてしまった。

もし世界経済のリセッション入りが確認されれば、その原因は為政者がリセッションよりも他の目標を重視し、企業に対して安定的で予見可能な環境を提供するという責務を放棄したことだろう。

リセッションはこうした政策ミスについての、痛みを伴う注意喚起となり、為政者は再び景気に関心を戻さざるを得なくなるだろう。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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