February 28, 2018 / 11:34 PM / 9 months ago

コラム:米利上げにらみ短期筋が「過去最大の賭け」

[ロンドン 26日 ロイター] - ヘッジファンドら投機筋は、米国金利が上昇すると見込んで過去最大の短期的な賭けに打って出ている。これは2月、ボラティリティーの急上昇によって生じた市場の混乱が、完全に収束した明白な兆候だ。

 2月26日、ヘッジファンドら投機筋は、米国金利が上昇すると見込んで過去最大の短期的な賭けに打って出ている。写真は21日、ニューヨーク証券取引所のトレーダー(2018年 ロイター/Lucas Jackson)

シカゴ先物取引所におけるポジションデータによれば、投機筋は米株式市場のボラティリティーが低下するだろうと踏んで、投資ポートフォリオを緩やかに再編成しつつあり、これもまた、世界規模でハイリスク資産市場を支える材料となる可能性がある。

市場が取り戻した冷静さがいつまで続くかは依然不透明だ。だが、短期筋(ファスト・マネー)投資コミュニティは、米国経済のしっかりした成長が徐々にインフレ圧力と利上げニーズを高めていくとの「ゴルディロックス(適温)」シナリオへと急速に回帰しつつある。いずれも、市場のボラティリティーが低いことを前提とした話だ。

数週間前、世界市場は急激な株価変動に巻き込まれた。米国の賃金上昇を示す指標が、米連邦準備理事会(FRB)が立ち遅れており、予想よりもはるかに積極的に借入コストを引上げる必要が生じているのではないか、という懸念に火をつけたためである。

ボラティリティーは即座に急上昇し、世界の株式市場は4兆ドル(約430兆円)もの価値を失った。皮肉にも、これによって突然、FRBが利上げのサイクルを延期、もしくは減速するかもしれないという可能性が生じたのだ。

シカゴ商品取引所とシカゴオプション取引所での最新のポジションデータは、金利予測が確実に混乱前の状況に戻ったことを示している。実際、そもそも金利予測は本当の意味でブレてはいなかったのだ。

商品先物取引委員会によれば、ユーロドル先物における投機筋の正味ショートポジションは、2月20日までの週で、過去最高の約定となる365万件にまで上昇。これは前週時点を24万5000件以上も上回っており、次回データであと4万1934件増えるだけで、この2月は利上げに向けた賭けへ、過去最大の月間シフトを示したことになる。

特定資産に関するショートポジションとは、実質的に、その価格が下がることに賭けるという意味だ。金利と債券市場においては、価格は利回りと逆に動く。つまり、ここでのショートポジションは実質的に、借入コストが上昇するという賭けである。

FRBが3月20日─21日の政策会合で利上げに踏み切ることは、ほぼ確実と市場は見ている。現在のサイクルで6回目の利上げとなり、市場は今年あと2回の利上げを織り込んでいる。2月初めにイエレン前議長の後任としてFRBのトップに就任したパウエル議長にとって、これが最初の政策会合となる。

商品先物取引委員会のデータは、投機筋がVIX先物のロングポジションを少しずつ減らし続けていることも示している。VIX先物のロングポジションは2月初めに史上最高水準に達したが、ボラティリティー・デリバティブの急落は、6年ぶりとなる米株の暴落を引き起こした。

正味ロングポジションは、前週に1万1255件減少した後、2月20日までの週において、さらに1万5013件減少した。これによってVIX先物の正味ロングポジションは2月6日の8万5818件という過去最高レベルから、5万9550件まで減少した。

S&P500の予想変動率を示すVIX指数.VIXは23日、17%以下となった。30年近く前に導入されたウォール街のいわゆる「恐怖指数」として、これはほぼ中央値の水準となる。

昨年後半のほぼずっと、そして今年1月にかけて10%以下という過去最低水準にあったVIX指数だが、2月5日には1日として過去最大の上昇を記録し50%超に達した。

予想変動率が落ち着くにつれて、S&P500も回復している。とはいえ、2月9日につけた底値からは8.5%上昇したものの、1月26日の最高値からはなお4%以上も低い。

ヘッジファンドの2月利益率データはまだ発表されていないが、同月のボラティリティー急上昇は追い風になっているものと予想される。だとすれば、ヘッジファンドにとって今年はかなり良いスタートを切れたことになる。

ヘッジファンド調査会社ユーリカヘッジによれば、マクロ系ファンド、商品取引アドバイザー(CTA)ファンド、合同運用型先物ファンドは、いずれも1月に良好な成績をあげた。これらファンドは、金利関連商品、ボラティリティー関連商品の取引に深く関与している。

1月のCTA/合同運用型ファンドの利益率は過去3年間で最高となる3.25%、マクロ系ファンドも2009年7月以来最高となる1.74%となっている。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)

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