[ニューヨーク 23日 ロイター] - 北米3カ国(米国、カナダ、メキシコ)の液化天然ガス(LNG)開発・生産企業は今年、4800万トンのLNG販売契約を結び、最終的に輸出量は現在の水準から60%増加する見通しだ。ただ、生産の大部分は数年先となる。
欧州の買い手はロシア産ガスから脱却するために西側に目を向け、中国のバイヤーは一時期停止していた長期契約を結んでいる。
米国内では新しいガス輸出プラントの開発が進んでおり、メキシコとカナダも西海岸にプラントを建設して、重要なガス輸出国に加わる構えだ。
需要の高まりにより、米国は今年1─6月に最大のLNG輸出国となった。2023─26年に出荷開始予定の承認済みプロジェクトは同国を首位にとどまらせる可能性がある。
業界団体の国際ガス連盟(IGU)によると、21年のLNG輸出量の上位はオーストラリアの78.5MTPA(百万トン/年)、カタールの77.0MTPA、米国の67.0MTPA、ロシアの29.7MTPAとなっている。
米国政府の予測によると、シェールガスの膨大な埋蔵量を持つ米国は今年、過去最高の85MTPAのLNGを生産する勢いとなっている。
また、リフィニティブによると、22年上半期の米国産LNG輸出の約68%は欧州向け。21年通年はわずか35%だった。
米国では輸出プラントが4カ所建設中であり、これにより米国のLNG生産能力は現在の104.6MTPAから26年には156.3MTPAに増加する。
さらに、カナダとメキシコで各2カ所の輸出プラントが建設中で、27年までに全ての施設が稼働を開始すれば、北米のLNG生産量はさらに20.8MTPA増加する見通しだ。
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