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アングル:債券投資家から利上げ加速容認論、不確実性解消を優先

[ニューヨーク 20日 ロイター] - インフレの暴走を目の当たりにした米連邦準備理事会(FRB)など一部主要国の中央銀行のサプライズな行動で債券投資家は大打撃を受けた。いま投資家から聞かれるのは「さっさと利上げして、この不確実な状況を解消してほしい」という声だ。

 6月20日、インフレの暴走を目の当たりにした米連邦準備理事会(FRB)など一部主要国の中央銀行のサプライズな行動で債券投資家は大打撃を受けた。写真はワシントンのFRB本部で2018年8月撮影(2022年 ロイター/Chris Wattie)

中銀がインフレを抑えられるまで、市場は金利について確実な情報を得ることはできない、と一部投資家は主張する。金融政策が経済を刺激も抑制もしない中立的な金利をできるだけ早く達成することが最善の道になるというのが投資家の見立てだ。

世界最大の資産運用会社ブラックロックのグローバル債券部門最高投資責任者リック・リーダー氏は、FRBの対応についてロイターのインタビューで、「明らかに景気が減速する中で、このような利上げが行われている。これでインフレ率がどの程度下がるのか、どの程度まで踏み込まなければならないのか、異例な不確実性が生じている」と指摘した上で、中立金利達成を急ぐのは、市場の適応にある程度時間を要するだろうが長い目で見れば得策との見方を示した。

ダブルライン・キャピタルの最高経営責任者ジェフリー・ガンドラック氏と著名投資家ビル・アックマン氏もここ数日、FRBに利上げを要求している。

中銀、とりわけFRBは、インフレ抑制に向けた対応が遅すぎるという批判にさらされてきた。米消費者物価が約40年ぶりの上昇率を記録した翌週にFRBが27年ぶりの大幅利上げを決定したのはそれを如実に示すと投資家は指摘する。

アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏は「中央銀行は昨年、最初の最善の政策対応の機会を逃がしてしまったので、キャッチアップが難しくなっている」と述べた。

パウエルFRB議長は先週、経済成長を急減速させたり失業率を大幅に上昇させずにインフレを抑えることがFRBの目標とし、その道のりがより困難になっていることを認めた。

<市場の混乱>

米英欧州の中央銀行の大幅な利上げは、すでに低迷していた債券市場に大混乱を引き起こした。

物価上昇は一般市民の貯蓄を侵食し、金利上昇は借り入れコストを押し上げる。米国の30年物固定金利住宅ローン金利は先週5.78%となった。1週間で0.5%ポイント以上上昇し、過去35年間で最大の上昇を記録した。

先週のFRBの利上げ後、米債券市場は乱高下した。

「市場が安定し相場が上昇するには、インフレがピークアウトしたという材料がある程度出てくる必要がある。弱気相場が終わるための前提条件といってよい。それはまず債券で、次に株式で起こるだろう」とブルーベイ・アセット・マネジメントのマーク・ダウディング最高投資責任者(CIO)はみる。

ただ言うは易く行うは難しだ。インフレはよく理解されていない現象で市場はここ数十年、物価上昇に対処できていない。

キャピタル・グループの債券ポートフォリオマネジャー、プラモッド・アトルーリ氏は「今回のインフレの多くは一過性のもので、すぐに収束するという見方があったが、それは間違っていたことが分かった」と言う。

中央銀行は需要を抑制する金融政策で物価上昇を抑えようとしているが、供給主導の要因にはほとんど対処できていない。

ピムコのエコノミスト、アリソン・ボクサー氏は、「インフレは供給が主導する面もあるがFRBには需要を冷やす手段しかない。FRBは、インフレ退治は成長を多少鈍らせるという犠牲を伴うことを今認識しつつある」と語った。

(Davide Barbuscia記者、David Randall記者)

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