June 27, 2018 / 2:17 AM / 3 months ago

コラム:株式市場に「危険信号」点滅か、社債市況の悪化で

[ロンドン 26日 ロイター] - 社債市場は株式に先行すると言われている。それが真実なら、株式市場は年内を通じて不安定な値動きが見込まれる。

 6月26日、社債市場は株式に先行すると言われている。それが真実なら、株式市場は年内を通じて不安定な値動きが見込まれる。写真は25日、ニューヨーク証券取引所のトレーダー(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

ダウ工業株30種とS&P総合500種はこのところ持ち直し、1月に記録した最高値に再び近づいてきた。ナスダック総合は最高値更新を続ける勢いがある。

しかし社債市場の取引環境の悪化は続く。米国の非金融企業の債務は絶対額と国内総生産(GDP)比の両方で過去最大水準となっている。デフォルト率はなお低いとはいえ、米連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクルの長期化が見込まれる中で、今後上がっていくのはほぼ間違いない。

既にFRBの金融引き締めで、とりわけ投資適格社債が圧力を受けている。投資適格社債指数の年初来の総リターンはマイナス3.4%と、1996年以降で最悪の道をたどっている、とモルガン・スタンレーは指摘する。

金利と債券利回り上昇にクレジットスプレッド拡大が加わり、米投資適格社債指数の価格は、2009年以来初めて額面の100ドルに低下した。

新興国市場、特に多額の債務を抱える中国の企業セクターも、米金融引き締めとそれに伴うドル高で痛手を受けやすくなっている。欧州の社債利回りは今月、2年ぶりの高水準に跳ね上がった。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータでは、高格付け債ファンドは5週連続、高利回り債ファンドは32週連続で資金が流出し、投資家の社債離れを鮮明に物語っている。

TSロンバードのアナリストチームは今月のノートに「クレジットサイクルはピークを過ぎており、サイクルが成熟しつつあると示唆するという面で、社債は株式に先行する傾向がある」と記した。

こうした動きは、景気と市場のサイクルという意味で心配な材料だ。米景気拡大は第2次世界大戦以降で2番目の長さにあり、米国株の強気相場はあと3カ月で過去最長に達する。

景気サイクルが成熟化するとともに、株高はしばしば借り入れ増によって達成される。実際今の米景気拡大が10年目を迎えるのに従って、企業債務は利益を上回るペースで拡大しつつある。

セントルイス地区連銀のデータを見ると、景気後退突入直前の07年末の非金融企業の債務は3兆3500億ドル、GDP比は23%。16年末の同債務とGDP比は5兆8000億ドル、31%で当時の過去最高だったが、足元の債務額は6兆ドルを超える。

08年の金融危機後、ずっとゼロ金利が続いた点からすれば、これは驚くに当たらない。結局、量的緩和政策の柱は会計や企業に借金を促し、消費や投資に回してもらうことなのだから。

ただし今の借り入れは長期平均を上回っている。ソシエテ・ジェネラルによると、昨年末時点で工業を除く全ての米国の企業セクターのレバレッジ比率が過去20年平均よりも高くなった。

シティ(ロンドン)のマット・キング氏は「これは典型的なサイクル終盤の事象で、企業は株主には有益だが、債券保有者のためにはならない行動をする」と指摘した。

つまり景気が悪化に転じる時期が近づくにつれて、企業の経営陣は事業の拡大や株価維持を自社株買いと買収でしか実現できないとの見方を強めることになる。

自社株買いと企業合併・買収(M&A)は総じて借り入れと手元資金で賄われる。それは株価を支える半面、企業の信用力は弱めてしまう。

例外はハイテクセクターであり、潤沢な現金を持つアップルやマイクロソフト、アマゾンなどのおかげで、セクター全体のレバレッジ比率はマイナス、すなわち差し引きのキャッシュポジションがプラスとなっている。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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