[メルボルン 10日 ロイター] - アジア時間の原油先物は下落。ただ週間では上昇する見通しとなっている。米リセッション(景気後退)を巡る懸念と中国の燃料需要回復への期待が引き続き交錯している。
0117GMT(日本時間午前10時17分)時点で、北海ブレント先物0.28ドル(0.3%)安の1バレル=84.22ドル、米WTI原油先物は0.35ドル(0.5%)安の77.71ドル。
米国で9日発表された新規失業保険週間申請件数が予想以上に増加したことを受け、景気後退懸念が再燃した。
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のコモディティー(商品)調査責任者、バーデン・ムーア氏は「米失業保険申請データを受けてオーバーナイトに地合いが悪化したようだが、中国の需要回復が2023年(下期)の価格見通しにより重要となると予想している」と述べた。
今週発表された最新の米石油在庫統計で、原油在庫が21年6月以来の高水準に増加したことも、米経済を巡る懸念につながった。
ただ、米連邦準備理事会(FRB)による大幅な追加利上げを巡る懸念が後退したことから、ブレントとWTIは前週の下落分の大方を回復し、週間では現時点で5%以上上昇している。
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