for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

アングル:黒人採用進まないヘッジファンド、対応難しい面も

[ロンドン 24日 ロイター] - 今年5月、米ミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に首を圧迫されて死亡した事件をきっかけに、企業における白人と黒人を含めたマイノリティーの雇用格差が問題化すると、大手銀行やプライベートエクイティ(PE)などは善処を約束した。

 今年5月、米ミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に首を圧迫されて死亡した事件をきっかけに、企業における白人と黒人を含めたマイノリティーの雇用格差が問題化すると、大手銀行やプライベートエクイティ(PE)などは善処を約束した。写真はフロイドさんの名前が書かれた壁。シアトルで6月撮影(2020年 ロイター/Lindsey Wasson)

ただ同じ金融業界でも、ヘッジファンドはそうした姿勢を公にする動きが乏しい。本来働く人数が少ない上に、採用対象は銀行で実績を残した人材に限られているため、従業員構成で急に人種の多様性を求められても対応が難しいからだ。

JPモルガンの自己勘定取引部門などの勤務を経てヘッジファンド、エンコ・キャピタルを共同で立ち上げたAlian Nkontchou氏は「ヘッジファンドに入ってくるのは、概して銀行で成功を収めた人なので、(多様性実現は)ヘッジファンドのマネジャーになる人材を生み出す銀行にかかっている」と話す。

もっとも実際にヘッジファンドで働く黒人従業員によると、黒人の採用・昇進という面で業界は過去20年ほとんど進歩の形跡が見られない。

ニュー・ファイナンシャルが2018年に公表した報告書には、ロンドンの資産運用業界で黒人のファンドマネジャーはたった12人と記されていた。

ある米系ヘッジファンドの欧州事業責任者を務めるマーカス・ギブス氏は「今の状況よりも、もっと良くなっていることを期待していたのだが」と落胆する。同氏がヘッジファンドの世界に入ったのは2001年だが、その後業界のイベントに参加する黒人は常に自分1人だけだという。

ケイン・キャピタルのアンシュマナ・バイマロー最高コンプライアンス責任者は「ヘッジファンドから資産運用コミュニティーまでさまざまな分野でより多くの黒人に出会いたい。私は黒人の運用担当者や投資判断責任者、あるいは黒人のセールス担当者を見たことがない」と語った。

ヘッジファンド業界コンサルタントは、フロイドさんの事件以来、ヘッジファンドに資金を振り向ける一部の投資家、特に米国の年金基金から多様性について問い合わせを受けると明らかにした。

ヘッジファンド投資の助言を行うウィリス・タワーズ・ワトソンのマネジャー調査責任者クリス・レドモンド氏は「以前なら、こうした問い合わせをする顧客は全体の5%ぐらいだろうが、現在は4分の1前後という様相が濃い。投資家は、当社が提示するヘッジファンドのリストの中で、人種やジェンダーの多様性という面で進んでいるのはどこかと尋ねている」と述べた。

別のヘッジファンド投資アドバイザーのオールボーン・パートナーズも、多様性について知りたがる顧客が増えていると指摘した。

オールボーンは今月17日、ヘッジファンドに対して人種、ジェンダーなどの面で従業員や所有者の構成に関する聞き取り調査を開始し、今後顧客への情報提供に使うことを視野に入れている。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up