March 17, 2018 / 12:09 AM / a month ago

アングル:逆相関強まるドルと金、トランプリスクのヘッジ需要

[東京 16日 ロイター] - ドルと金の逆相関性が高まっている。トランプ米大統領の保護主義的政策などに対して世界の投資家が警戒感を強めており、ドル安に対するヘッジとして金が選好されてきているためだ。政権の不安定化も加わり、ドル安が進めば金価格も一段高になるとの予想も聞かれている。

 3月16日、ドルと金の逆相関性が高まっている。ウィーンで2016年撮影(2018年 ロイター/Leonhard Foeger)

<オバマ政権よりも強い関係性>

主要6通貨のバスケットに対するドル指数.DXYと、金現物XAU=の相関(チャートの下段、365日ベース)をみると、マイナス1に近づいており、逆相関性(一方が上昇すれば、他方は下がる関係)が高まっているのがわかる。

週ベースでみると、オバマ政権2期目の2013年からの4年間は0.58の負の相関だったが、2016年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利してからは0.87の負の相関まで上昇してきている。

もともとドルと金は、逆相関性が強い。米長期金利が上昇した場合、ドルが高くなりやすい一方、金利(利息)が付かない金の魅力は低下するためだ。

だが、最近では米長期金利が上昇しても、ドルが買われない環境となり「中長期のポートフォリオを組む投資家らは、ドル安や米政権の混乱による株価の一段安に対するヘッジで金を購入している」とマーケット・ストラテジィ・インスティチュート代表の亀井幸一郎氏は指摘する。

<株安への警戒感も>

金現物の価格は1月25日に1366ドルの高値を付けた後、足元は1300ドル前半で底堅さを保っている。

年初は、米国の好景気で利上げが加速し、長期金利とドルの上昇が予想されるなか、金は1200ドル方向に下落するとの見方が主流だったが、そのシナリオは早くも消失した。

底堅い需要の背景にはドル安だけでなく、米株安に対するヘッジニーズもあるようだ。「米景気が好調でも、トランプ政権ではいつ、何が起きるか分からないという不確実性に目が向きやすく、米国株が戻りにくくなっていることも気になる」(国内機関投資家)という。

S&P500.SPXは今年1月26日に2872.87ドルと過去最高値を付けたあとは、現在は2747ドル付近でもみあいとなっている。

米投資会社ダブルライン・キャピタルを率いるジェフリー・ガンドラック氏は13日、「S&P総合500種株価指数のリターンが今年、マイナスになると確信している」との見方を示している。

<通商・政治リスクも金需要に>

金を保有してリスクに備える動きは、純粋に経済的要因のみならず、経済大国間の通商面や政治面での摩擦にも起因しているとの指摘もある。

トランプ米大統領は、鉄鋼とアルミニウムの輸入に関税を課す大統領令に署名。各国から対抗措置も辞さないとの批判が相次いでおり、「貿易戦争」への警戒感が強まっている。

2016年の米大統領選にロシアが介入したとされる問題で、米財務省は15日にロシアの情報機関など5団体と19人を制裁対象としたと発表した。

第一商品の貴金属アナリスト、村上孝一氏は「米国の対中強硬姿勢が目立ってくることや、ロシアと英国、米国との政治面での対立も金相場の需給をタイトにする」と話す。

来週20─21日の米連邦準備制度理事会(FOMC)では利上げが確実視されており、通常であれば、ドル上昇/金下落が起きる環境だ。

しかし、金の下落は限定的で、FOMC後は上昇を予想する声も出ている。

    森佳子 編集:伊賀大記

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