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金ETFへの資金流入に拍車、年初来で8%超増加 5年ぶり高水準

 2月8日、景気の不透明感やドル安、米利上げ観測の後退などを背景に、今年に入ってから金を裏付けとする上場投資信託(ETF)への投資に拍車が掛かっている。金現物は年初来12%値上がりし、同日には1オンス=1200ドルを超え、7カ月半ぶり高値を付けた。ニューヨーク州で2013年6月撮影(2016年 ロイター/Shannon Stapleton)

[ニューヨーク 8日 ロイター] - 景気の不透明感やドル安、米利上げ観測の後退などを背景に、今年に入ってから金を裏付けとする上場投資信託(ETF)への投資に拍車が掛かっている。金現物XAU=は年初来12%値上がりし、8日には1オンス=1200ドルを超え、7カ月半ぶり高値を付けた。市場筋は、金ETF投資の急増に支援されたとみている。

商品投資会社ロジック・アドバイザーズの共同創業者ビル・オニール氏は「われわれは現在、世界的に不安な心理状態にあり、代替資産としての金への関心が高まっている」と指摘する。

最も直近で入手可能な5日のデータによると、主要な金ETF8本を合計した金保有量HLDTOTALL=XAUは4330万オンスに増加し、昨年7月以来の高水準となった。さらに注目すべきは、年初の5週間における金ETFへの資金の流入ペースが8%超と、2011年3月以来の高水準を記録したことだ。

RBCキャピタル・マーケッツの貴金属ストラテジスト、ジョージ・ゲロ氏は「とりわけ金に流動性があり、持ち運びでき、政治的配慮なしにどの通貨にも交換可能な点を踏まえると、資金の逃避先を求める投資家が金投資に回帰するには十分な理由がある」と分析する。

世界最大の金ETFであるSPDRゴールド・シェアーズGLDの金保有HLDSPDRGT=XAUは先週4%以上増加し、2009年3月以来の大幅増を記録した。

BMOキャピタル・マーケッツの金属取引責任者、タイ・ウォン氏は「人民元のボラティリティーや元切り下げが必要との見方、株式市場全体の神経質な心理状態、日銀のマイナス金利導入、マイナス金利を導入済みの欧州中央銀行(ECB)の追加緩和観測、米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を当面据え置くとの見方があり、これらすべてが金ETFへの資金流入が急増している背景にある」と語った。

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