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コラム:グーグルへの提供中止、デジタル広告の欠陥を露呈
2017年3月24日 / 05:15 / 8ヶ月後

コラム:グーグルへの提供中止、デジタル広告の欠陥を露呈

[ニューヨーク 23日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米アルファベット(GOOGL.O)傘下のグーグルへの広告提供を中止する企業や公的機関が相次いでいる。反社会的な動画とともに広告を表示していたことが分かったためだ。これはグーグルが抱えるトラブルだけではなく、デジタル広告全体の有効性というより大きな問題を白日の下にさらしつつある。

 3月23日、米アルファベット傘下のグーグルへの広告提供を中止する企業や公的機関が相次いでいる。写真はグーグルの画面。仏ニースで昨年2月撮影(2017年 ロイター/Eric Gaillard/Illustration)

JPモルガン(JPM.N)とジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)(JNJ.N)は23日、グーグルの動画共有サービスのユーチューブに対する広告提供を取りやめた。これに先立ち、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ.N)やAT&T(T.N)なども主にユーチューブを巡る問題を理由に広告を引き揚げている。発端は先週の英国の新聞による調査だった。それによると、海軍などのグーグル顧客の広告が、白人至上主義や反ユダヤ主義の団体などが投稿した好ましくない動画と並んで表示されていたという。

広告提供中止の動きはあっという間に拡大し、広告予算の規模が非常に大きいベライゾンとAT&Tも加わった。業界誌「アド・エイジ」によると、両社の米国における2015年の広告予算は70億ドル近くに上り、上位10社に入る。ピボタル・リサーチの調べでは、グーグルの、検索関連の広告を除くベースでの両社からの年間広告収入は約3億5000万ドルだ。

この通信大手2社が、グーグルとフェイスブック(FB.O)をデジタル市場の支配的地位から蹴落とそうと目論んでいる点には注目しなければならない。ベライゾンはデジタル市場進出の足掛かりにしようと、AOLやヤフーの買収に90億ドルを費やし、AT&Tも同様の理由からタイム・ワーナー(TWX.N)に850億ドルを投じると表明した。

一方、広告主や代理店は何年も前から、オンライン広告の指標のあり方に不満を唱えてきた。彼らは、視聴者が動画広告をどれぐらい長く見ているか、また自動的に再生する広告にどの程度効果があるのか、もっと明確に示してほしいと訴えている。広告業界にしてみれば、複雑なアルゴリズムに基づいて自動的に広告が切り替わるシステムの登場で、分かりにくさは一層強まった。

ユーチューブは、動画の質を巡る批判ともずっと格闘してきた。昨年の米大統領選におけるいわゆる「偽ニュース」への反発で、この問題への関心は広がりつつある。それでも利用者数を考えれば、グーグルやフェイスブックと張り合える手段は乏しい。そこで広告主は資金を引き揚げることにより、グーグルなどに広告費がどれだけ効果を発揮しているかもっと適切に示せと迫っているのかもしれない。

●背景となるニュース

*AT&Tやベライゾン、J&Jはユーチューブやグーグルの他の非検索プラットフォームへの広告提供を中止したと発表した。ロレアル(OREP.PA)などの広告が問題のある動画と並んで掲載されていた事実が判明したことがきっかけだった。

*英政府や仏広告大手アバス(HAVA.PA)、英小売り大手マークス・アンド・スペンサー(MKS.L)は英国でグーグルから広告を引き揚げた。

*グーグルは個別の顧客についてのコメントを拒否したが、広告運営方針の幅広い見直しに着手したと表明。「広告主のブランドをより強く守るために運営方針の基準を引き上げる」としている。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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*見出しを修正しました。

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