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コラム:米共和党、税制改革実現期待で浮かれるのは早計
2017年10月25日 / 04:49 / 1ヶ月後

コラム:米共和党、税制改革実現期待で浮かれるのは早計

[ワシントン 24日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米与党・共和党は歴史的な税制改革実現が見えてきたと有頂天になっているようだ。しかし大抵のこうした浮かれムードがそうであるように、今回も長続きしそうにはない。共和党は下院で今週中に予算決議案が可決され、感謝祭までには税制改革法案が承認される運びになると期待している。とはいえ財政赤字を巡る党内のあつれきはまだ解決されておらず、トランプ大統領は歳入増が見込める提案を拒否し続けている。

 10月24日、米与党・共和党は歴史的な税制改革実現が見えてきたと有頂天になっているようだ。しかし大抵のこうした浮かれムードがそうであるように、今回も長続きしそうにはない。写真は6月、ホワイトハウスの会議に出席したトランプ大統領(左)とライアン下院議長(2017年 ロイター/Joshua Roberts)

ライアン下院議長は24日、議会が「多くの家庭に大きな変化をもたらすことになる政策をまさに実行する寸前だ」と語り、もう税制改革に成功したかのような口ぶりだった。実際、既に上院が可決し、向こう10年で財政赤字を1兆5000億ドル増やすことと認めた2018会計年度予算決議案は、26日に下院を通過する見通しだ。

独立系の税制アナリストの予想では、ホワイトハウスが支援するこの税制改革案は今後10年で財政赤字を2兆─5兆ドル膨らませるとみられる。だが減税の穴を埋めるためのいくつかの提案には、反対の声が出ている。トランプ氏はツイッターで、課税繰り延べ式の確定拠出年金への年間最大拠出額を2400ドルに制限しようとする提案を受け入れない意向を示した。現状では50歳までの勤労者は、年間で最大1万8000ドルを拠出できる。ハッチ上院財政委員長はこれらの問題の一部についてトランプ氏に同意しない可能性があると話した。

トランプ氏は、最高所得層向けに4番目の課税区分を追加し、この階層の納税負担を今と同じか、より多くするという共和党案にも疑念を表明した。また10年間で1兆ドルの収入が見込める州や地方自治体の課税における各種控除の廃止案では、共和党内の意見がなお割れている。

これらの不協和音を解消するのは、決して簡単ではないだろう。挙句の果てにトランプ氏は24日、事態をさらにややこしくしたかもしれない。これから共和党上院議員団に税制改革支持を求めるための昼食会に臨もうとした矢先にツイッターで、税制改革に懐疑的なコーカー上院外交委員長を「口撃」したからだ。

税制改革実現に向けた共和党の困難な取り組みは、まだほんの入り口段階にすぎない。

●背景となるニュース

*米下院は、上院が可決した2018会計年度予算決議案の採決を26日に予定している。この予算決議案は、議会による税制改革への道を開くもので、向こう10年で財政赤字を1兆5000億ドル増大させることを認める内容。下院が独自に承認した予算決議案では、財政赤字拡大は容認されていない。ライアン下院議長は24日、下院は11月23日に税制改革法案の可決を目指していると語った。

*トランプ大統領は24日、ツイッターで共和党有力議員のコーカー上院外交委員長を批判。「ボブ・コーカー氏はオバマ大統領を手助けし、ひどいイラン核合意をわれわれにもたらした上に、テネシー州では野犬捕獲員にも当選できない人物だが、今は減税に抵抗している」と投稿した。これに対してコーカー氏もツイッターで「まったく嘘だらけの大統領から同じような偽り(が飛び出した)」と反撃している。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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