[アムステグ(スイス) 1日 ロイター] - アルプス山脈を縦貫する世界で最も長く最も深い鉄道トンネルが1日、スイスで開通した。全長57.1キロメートルの「ゴッタルド基底トンネル」は2本のトンネルで構成され、17年の工期を要した。トンネルから地面までの深さは最大2.3キロメートルある。
所要時間17分で乗客を運ぶことができる。最終試験を終えた後、1日約260本の貨物列車と65本の旅客列車が走る予定だという。
南北欧州を結びつけ、乗客や貨物の輸送を加速させる総工費230億スイスフラン(約2兆5400億円)のインフラ計画の一環。スイス輸送当局の責任者は「これはスイス人固有のアイデンティティ」だとし、「アルプスを制することは、オランダ人が海洋探検をするようなものだ」と語った。
これまで政府や議会がときに計画に反対することはあっても、スイスの有権者は国民投票などを通じてこのプロジェクトを支持してきた。開通式典には欧州の団結を示すために近隣諸国のリーダーを招き、抽選に当たった幸運な乗客らが最初の列車に乗り込む予定だという。
*表記を修正して再送しました
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