[東京 18日 ロイター] - 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、短期資産(現金)の運用に伴って発生するマイナス金利分の損失を負担する方針だ。低金利下での運用難でGPIFの短期資産が積み上がり、資産を預かる信託銀行の負担が増えていることが背景にあるとみられる。複数の関係筋が18日、明らかにした。
9月末時点でGPIFの短期資産残高は、推計で10兆円程度。日銀のマイナス金利政策で国債の利回りが低下していることから、保有国債の償還分は再投資せず、短期資産として積み上げる傾向が続いている。
短期資産の運用はGPIFが自前で行うのが基本だが、運用しきれなかった部分が生じれば、資産を預かる「資産管理サービス信託銀行」が代わって行う。短期資産が膨らんだことで信託銀の運用分も増え、一部にマイナス金利がかかる日銀当座預金に資金が積み上がっているもようだ。
GPIFが負担するマイナス金利負担分は年間数十億円とみられるが、同法人の広報担当者は「個別の取引については回答できない」としている。
梅川崇 編集:田巻一彦
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