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アングル:新型コロナが格付けに大打撃、デフォルトも急増

[ロンドン 29 日 ロイター] - 新型コロナウイルス危機は政府財政と企業財務に大打撃を与えるとともに、債務の膨張を招いている。企業の格付けも激しく悪化し、デフォルト(債務不履行)の急増につながっている。

 新型コロナウイルス危機は政府財政と企業財務に大打撃を与えるとともに、債務の膨張を招いている。企業の格付けも激しく悪化し、デフォルトの急増につながっている。写真はヒューストンの病院で8日撮影(2020年 ロイター/Callaghan O'Hare)

(1)記録塗り替えへ

S&Pグローバルは年初からこれまでに1190件の格下げを実施した。世界金融危機に見舞われた2009年の過去最多記録1326件(通年)まで、あとわずか136件だ。

今年の格下げのうち、975件は新型コロナが直接影響したか、コロナを一因とする石油価格の暴落が影響したもの。格付け見通しの引き下げまで加えると、総数は1939件に増える。

(2)幅広いセクター

あらゆるセクターが新型コロナの影響を受けたが、最も深刻だったのはエネルギー・石油、小売り、メディア・娯楽、航空、観光・娯楽、銀行、資本財に関連する企業だ。

また、影響は世界全体に及んだ。S&Pが格付けを引き下げ、もしくは見通しを引き下げた企業数は北米が1015社。中南米では全体の約60%に当たる180社で、その他地域はこの割合が35─45%だった。

国債も大きな打撃を受けた。フィッチによるソブリン債の格下げ件数は32件と過去最多、対象は26カ国で、国債発行額の多いイタリアとメキシコは「危険ゾーン」に入った。

(3)ジャンク級に転落

S&Pは34発行体の格付けを投資適格級からジャンク級に引き下げ、対象となる債券は総額3200億ドルを超えた。フォード、ロールスロイス、クラフト・ハインツ、ルノー、デルタ航空、ルフトハンザ、ブリティッシュ・エアウェイズ、メーシーズなどが含まれる。

ムーディーズは南アフリカもジャンク級に引き下げた。イタリア、インド、コロンビア、モロッコ、ルーマニア、ウルグアイ、メキシコの各国は、少なくとも1つの格付け会社からジャンク級の一歩手前まで格付けを引き下げられた。

S&Pが今後ジャンク級に引き下げる可能性を警告している発行体は126あり、これらの債券発行額は総額5760億ドル。

(4)トリプルAから転落

これまでのところ「トリプルA」格を失った国はカナダだけ。フィッチが先月格付けを引き下げた。フィッチがトリプルAを付与する発行体の数は10と、1998年以来で最も少なくなっている。これはフィッチが格付けを行っている国全体の10%未満で、過去最低の割合。

(5)デフォルト

S&Pは悲観シナリオで、米国のジャンク級企業の15.5%、290社近くが来年3月までにデフォルトを起こすと予想している。欧州ではこの割合が11.5%となる可能性がある。

またムーディーズは、不正会計事件を起こし破産手続きを申請したドイツのオンライン決済会社ワイヤーカードに投資適格級の格付けを付与していた。投資適格級企業が破産手続きを申請するのは、2009年のサウジアラビア企業以来の出来事。

今年に入ってデフォルトを起こした国はアルゼンチン、エクアドル、レバノン、スリナムの4カ国で、過去最多。いずれも新型コロナ危機以前から苦境にあった。ただフィッチは、ガボン、モザンビーク、コンゴ共和国、ザンビアにもデフォルトの懸念があるとしている。

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