August 25, 2018 / 6:38 AM / 3 months ago

アングル:支援卒業のギリシャ、市場動揺で国債発行おあずけか

[ロンドン 20日 ロイター] - ギリシャは20日に欧州安定メカニズム(ESM)に基づく第3次金融支援を終了し、8年間におよぶ支援を脱却した。しかしトルコ通貨危機で金融市場は動揺しており、早ければ9月にも指標となる10年物国債を発行して財政的な自立を明確にするとの期待は打ち砕かれそうだ。

ギリシャは5月にイタリアの政局混乱を巡る市場の緊迫で起債計画の棚上げを余儀なくされたが、足元ではトルコ通貨危機で世界的にリスク回避のムードが高まり、国債の発行コストが再び極めて高い水準となっている。

ギリシャのプライマリーディーラー3社のうち1社の関係者は、ギリシャが10年物国債を発行するならば、投資家を引きつけるために提示しなければならない利回りは4.5%を大幅に上回り、5%に達する可能性もあるとの見方を示した。

プライマリーディーラーの1人は「今のところ起債があるとは思えない。トルコ情勢が沈静化し、イタリアの政情がもう少し落ち着く必要がある今なら莫大な新規発行プレミアムを支払わなければならない。ギリシャはすぐに起債する必要に迫られておらず、様子を見る」と予想した。

他のプライマリーディーラー関係者2人も同意見で、このうち1人はギリシャの国債発行当局は「分別」があり、慌てて起債に動きそうにないと話す。

現在指標となっているギリシャの10年物国債(2028年1月償還)の利回りは7月には3.81%だったが、最近は4.33%で取引されている。

ギリシャは公式には10年物国債の発行計画を発表していない。

DZバンクの金利ストラテジストによると、ギリシャは先にユーロ圏各国と最後の支援として150億ユーロの融資を受けることで合意しており、当面は国債発行による追加の資金調達に頼らないで済む。新たに国債を発行しなくても、2018年と19年の財政収支が計131億ユーロの黒字になる見通しだという。

3人のプライマリーディーラー関係者は、ギリシャの10年物国債の新発プレミアムについて、25─40ベーシスポイント(bp)が必要とみている。

ギリシャ国債の利回り曲線から想定される「2028年9月償還債」の利回りは4.40─4.45%前後。これに新発プレミアムを乗せると発行利回りは5%近くになる計算だ。

 8月20日、金融支援から卒業したギリシャだが、トルコ危機で金融市場は動揺しており、早ければ9月にも期待されていた国債発行は先送りになりそうだ。アテネで2012年撮影(2018年 ロイター/Yannis Behrakis)

2人目のプライマリーディーラー関係者は「ESMからもっとはるかに低いコストで資金が調達できるのに、こんな水準で起債して筋が通るだろうか。市場にアクセスできると示したいのは分かるが、ギリシャ当局は相応の良識も備えている」と述べた。

ユーロ圏の支援基金であるESMと欧州金融安定基金(EFSF)の貸し出し金利はそれぞれ0.99%と1.44%。ギリシャのユーロ圏からの借り入れはこの2つの基金が大部分を占める。

(Abhinav Ramnarayan記者、Virginia Furness記者)

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