[アテネ 28日 ロイター] - ギリシャのミツォタキス首相は、5月21日に総選挙を実施する方針を示した。議会が4年の任期終了を迎え、人心一新して改革を進めたいとした。
ミツォタキス首相は閣議で「国も国民も明確な展望を必要としている。当初から約束していた通り、4年の任期終了をもって選挙を実施する」と表明した。
ミツォタキス首相の与党、新民主主義党(ND)は、2019年の政権発足以降、支持率で野党、急進左派連合(SYRIZA)を大きく引き離してきた。しかし死者57人を出した2月28日の列車正面衝突事故で鉄道インフラの脆弱さが露呈、政権に対する批判が広がり、支持率の差が縮まっている。
首相は、列車事故で、国家が依然抱える欠陥が浮き彫りになったとし、「それら全てを克服することが、今後の明確な優先事項だ」と述べた。
世論調査機関ALCOの幹部は、列車事故は有権者の心理に消えることのない傷を残したと指摘、「抗議票が優勢になるか、それとも安定という政府のシナリオが優勢になるのか、非常に重要だ」とした。
5月21日の選挙は、新たに導入された比例代表制で実施される。比例代表制では、一政党による単独過半数獲得が難しく、決選投票にもつれこむ可能性がある。首相は、決選投票が「遅くとも7月上旬までに」実施されるとの見込みを示した。
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