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アングル:米為替政策のスタンスつかみかねる日本当局、当面は静観維持
2017年2月17日 / 06:48 / 9ヶ月後

アングル:米為替政策のスタンスつかみかねる日本当局、当面は静観維持

[東京 17日 ロイター] - 日米間の議論の行方に関心が集まる為替問題で、米側の政策スタンスがはっきりしないため、日本側は当面、静観するスタンスになりそうだ。トランプ米大統領は日米首脳会談で円安批判をせず、ムニューシン米財務長官も足元でははっきりした方針を示していないが、対米貿易黒字への批判は通貨安批判に連動しやすいだけに、日本政府内には円安批判への警戒感も残っている。

 2月17日、日米間の議論の行方に関心が集まる為替問題で、米側の政策スタンスがはっきりしないため、日本側は当面、静観するスタンスになりそうだ。写真は都内で2009年11月撮影(2017年 ロイター/Yuriko Nakao)

トランプ相場で急激な円安の進んだ2016年末、トランプ政権は米国に世界の資金を還流させるためドル高を志向し、海外からの資金を利用して国内のインフラ整備を進め、米国内の雇用を増加させる経済政策を取るとの見方が、市場では多かった。

ムニューシン財務長官など政権幹部に米投資銀行ゴールドマン・サックス(GS)出身者が多く、同じくGS出身だったルービン元財務長官の「強いドル」路線が連想されたためだ。

ムニューシン財務長官は、今年1月19日の米上院での指名公聴会で、ドルにとって「長期的な力強さは重要になる」と述べ、長期的にドル高を維持することが重要になるとの考えを示していた。

また、米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は今月14日、米上院で「緩和解除の待ちすぎは良くない」と述べた。日欧が超金融緩和策を維持する中で、米利上げが実行されれば、外為市場ではドル高要因として反応する可能性が高い。

ただ、1月23日のブルームバーグはムニューシン財務長官が「過度に強いドルは米国経済に短期的にマイナスの影響を与える可能性がある」との考えを示したと報じた。

1月31日にはトランプ大統領が、ホワイトハウスで製薬会社幹部を前に「ここ数年、日本がやってきたことを見てみろ。通貨の切り下げだ」と批判。政府・日銀の間では、ドル安・円高への警戒感が一気に高まった。

だが、2月10日の日米首脳会談や、その後のフロリダでのゴルフや会食などで、両首脳の間では、為替は議論されなかったという。

一方で麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領をトップとする「日米経済対話」の設置が決定。トランプ大統領から直接的に為替や自動車分野で対日批判が出てくる可能性を抑制する「体制」も整えられた。

政府・与党内には、日米首脳会談でトランプ大統領が「蜜月」を演出し、円安や自動車を材料にした対日批判を封印したことで、ひとまず円安や自動車での批判は出てこないだろうとの安心感が広がっている。

だが、米政権が「ドル安志向」なのか、「ドル高容認」なのかその本音をつかみきれないとの声が政府関係者から漏れてくる。

「トランプ政権の経済政策を実行すれば、経済は過熱気味となるためFRBの利上げは必要になるだろう」(日銀幹部)との見方がある一方、「FRBの政策はトランプ政権(の志向する方向)と異なり、いずれ修正を余儀なくされるのではないか」(政府高官)と予想する向きもある。

別の政府高官は「今の米国にとって(急激な)利上げが、本当に良いことかわからない。米(金融・為替)政策の方向はわかりくい」と述べている。

フリン氏が米大統領補佐官を辞任し、労働長官の指名でも迷走。トランプ政権は人事面でのごたごたが続いている。政治任用となっている各省庁の幹部人事も停滞しており、麻生副総理は15日、ペンス副大統領訪日時に予定している初回の経済対話でも「米側がスタッフ不足」のため、詳細を「詰めた話が出る感じはしない」(衆院財務金融委員会)と述べた。

日本政府の内部では「あえて今、日本側から為替議論を持ち掛けないのが得策」(政府関係者)との声が広がっている。

竹本能文 編集:田巻一彦

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