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航空業界の黒字回復の期待、オミクロン株で後退か

 12月7日、航空会社や空港運営会社の幹部によると、新型コロナのオミクロン変異株の報告であっという間に矢継ぎ早に導入された新たな渡航規制が、国際線の始まったばかりの回復を押し戻している。写真は成田空港の大型ディスプレー。11月30日撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[7日 ロイター] - 航空会社や空港運営会社の幹部によると、新型コロナのオミクロン変異株の報告であっという間に矢継ぎ早に導入された新たな渡航規制が、国際線の始まったばかりの回復を押し戻している。ウイルス検査の新規則や入国禁止措置が相次ぎ、重要なクリスマスの旅行シーズンを前に業界の懸念は増大。国際線の需要は、航空各社がコロナ禍の直撃を受けた昨年の大幅赤字から黒字に回帰する上で極めて重要なためだ。

アメリカン航空のロバート・イソム次期最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、黒字転換できるかは旅行需要の全面回復次第だと強調し、そうした需要回復がなければ「黒字回復も遅れるだけだ」と嘆いた。国内線は堅調なままだが、一部の国際線市場の需要が今回の渡航規制で打撃を受けていると認めた。

国連の航空関連機関は7日、オミクロン株対策の渡航規制について各国政府は慎重になるべきで、導入するなら最終手段の位置付けにしてほしいと訴えた。外国人の入国禁止に動いたのは日本。米国は入国便の搭乗24時間前のウイルス検査を義務化しようとしている。シンガポールの入国者は今や、到着後7日間は毎日ウイルス検査を受けなければならない。

シンガポール航空傘下の格安航空スクートのキャンベル・ウィルソンCEOはシドニーでのイベントで、オミクロンの話が出てくるまでは入国規制の解除が加速していたと恨めしげだった。「それ以来、われわれは基本的に一時停止状態にある」と訴えた。

一方で、コロナワクチン接種率の上昇や新たなコロナ治療薬の登場が事態を改善すると期待する声も航空会社や旅行会社から聞かれる。オンライン旅行サービスのブッキング・ホールディングスのグレン・フォゲルCEOは「今回は、(コロナ禍が始まったばかりの)昨年春とは状況が違う」と口にした。

もっとも旅行予約会社トラベルポートのアジア太平洋担当幹部によると、一部地域の予約検索は週を追うごとに落ち込んでいる。渡航者が安心して旅行するかどうかは政府発表と密接に結びつく傾向があるとも指摘した。

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