[シドニー 13日 ロイター] - オーストラリア政府当局者は13日、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発した1回接種方式の新型コロナウイルスワクチンについて、現時点で購入する計画はないと明らかにした。血栓リスクを巡り調査が行われているワクチンの調達を見合わせる。
J&Jと英アストラゼネカのワクチンは、かぜのウイルスの一種であるアデノウイルスを無害化したものに新型コロナのたんぱく質の遺伝情報を組み込み、体内で免疫反応を促すウイルスベクターワクチン。
欧州連合(EU)の医薬品規制当局である欧州医薬品庁(EMA)は両社のワクチンについて、接種後にまれな血栓症が発生する事例が報告されたことを受けて調査している。
豪保健省の報道官はロイターに対し「現時点でアデノウイルスを用いたワクチンを追加購入する計画はない」と述べた。
豪当局は先週、血栓を巡る懸念を踏まえて50歳以下の人にアストラゼネカ製以外のワクチンを接種するよう推奨。政府は11日、約2600万人の全人口の接種を年内に終える目標を撤回し、接種計画に混乱が生じている。
フライデンバーグ財務相は、ワクチン接種の遅れが景気回復の勢いを妨げることはないと指摘。「ウイルス抑制の成功と経済の著しい再開により、家計と企業の信頼感はコロナ禍前の水準を上回っている」との認識を示した。
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