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豪医師会、コロナ制限緩和をけん制 医療制度に「転覆」リスク

[シドニー 2日 ロイター] - 豪州の一部の州が新型コロナウイルス感染者を抑え込む従来の戦略からコロナとの共存へのシフトを模索する中、オーストラリア医師会(AMA)は2日、ワクチン接種率が上昇しても、国内の病院は政府の活動再開計画に対応する用意ができていないと警告した。

オーストラリア医師会(AMA)は2日、ワクチン接種率が上昇しても、国内の病院は政府の活動再開計画に対応する用意ができていないと警告した。写真は、シドニー市内の病院でコロナウイルスのチェックを受ける様子。2021年8月30日に撮影。(2021年 ロイター/Loren Elliott)

AMAは、豪州の医療制度は「永続的な危機の悪循環」に陥る恐れがあるとし、新たなコロナ対応モデルに関し、ロックダウン(封鎖措置)緩和時に見込まれる感染者の急増に対応できる十分な人員を病院が確保しているかを確認する必要があるとした。

AMAのバイスプレジデント、クリス・モイ氏はオーストラリア公共放送(ABC)に対し「活動を再開してもセーフティーネット(安全網)あるいは救命ボートのチェックを怠っていれば、救命ボートにさらに多くの人を押し込んだ上で転覆させかねない」と強調した。

連邦政府は7月、ワクチン接種率が70─80%に到達すれば制限措置を緩和する4段階の計画を公表。各州の当局に、コロナ新規感染者をゼロに抑え込む現在の戦略に代わり、死者数と入院者数の抑制に力を入れるよう求めた。

新規感染者をゼロに抑えているクイーンズランドと西オーストラリアの両州は、4段階の再開計画について、ニューサウスウェールズ(NSW)州の感染者数が比較的少なかった時期に策定されたことを理由に、従わない可能性があるとこれまでに表明している。

ビクトリア州は1日、感染者急増を受け、ニューサウスウェールズ(NSW)州と同様に感染ゼロ戦略からの転換を強いられた。数週間にわたるロックダウンでデルタ変異株の感染拡大が抑えられなかったため、両州ともワクチン接種加速に重点を移している。

豪州の16歳以上の人口にワクチン接種完了者が占める割合は約36%となお低水準にある。

NSW州は2日、1288人の新たな市中感染者が確認されたと発表した。8月30日に報告された過去最多の1290人を若干下回った。新たに7人が死亡した。

入院者数は957人で、1週間前の698人から増加。集中治療室(ICU)に入っている人は40%近く増加して160人となり、そのうち64人は人工呼吸器が必要な状態という。

当局は昨年初め、NSW州の人工呼吸器の数を4倍の2000台に増やしたが、AMAのモイ氏は、政府はロックダウンを緩和する前に病院の人員増に重点的に取り組む必要があると主張。「人工呼吸器やICUの数だけが問題なのではない。経済が再開された際に、人工呼吸器の操作やICUでのケアを担う人員の数が重要なのだ」などと訴えた。

ビクトリア州できょう発表された新規感染者数は176人。前日の120人から増加し、今年最多となった。

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