[リオデジャネイロ 13日 ロイター] - ブラジル集中治療医学会(AMIB)が週末に発表した調査報告書で、先月同国で集中治療室(ICU)で治療を受けた新型コロナウイルス患者の大半が40歳以下だったことが分かった。感染流行の若年層に対する影響が増している実態が浮き彫りになった。
リポートは、全土のICUの3分の1超のデータに基づいている。ブラジルで昨年コロナ流行が始まって以来初めて、ICU患者に40歳以下が占める割合が52%に達した。昨年12月から今年2月までの期間に比べ、16.5%増えた。
今回の感染の波で若年層の重症化が増えている原因は不明だが、一部の科学者は、アマゾンの都市マナウスで発生したとされるP1型変異株が少なくとも一因とみている。
このほか、ワクチン接種対象が高齢者であることや、外出や交流に対する危機感がより薄い若年層の行動などの要素も影響している可能性がある。
これとは別に、公的研究機関オズワルドクルズ財団(FIOCRUZ)は、より若年の患者はICUの使用が長引く傾向があり、重症化増の流れは医療体制に対する一段の圧力となっているとのリポートを発表した。
ブラジルでは先週、1日当たりのコロナ死者数が4000人を超え、世界の感染震源地となっている。
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