[ワシントン 10日 ロイター] - トヨタ自動車やホンダ、米ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーター、ステランティスは10日、北米の工場で自動車生産の削減に追い込まれていると明らかにした。カナダで続く新型コロナウイルスワクチン接種義務に抗議するトラック運転手らによる抗議デモの影響で部品が不足しているためという。
トヨタ自動車は抗議デモによって部品などの供給全般に問題が出ているとし、カナダ・オンタリオ州と米ケンタッキー州の工場での生産を12日まで休止すると発表した。
ホンダは、9日にオンタリオ州アリストンの工場で生産ライン1本を休止した後、10日に再開したと明らかにした。
ストランティスは多くの米・カナダの工場で操業時間を短縮、GMはスポーツ多目的車(SUV)を生産するミシガン州の工場などでシフトを止した。
フォードは、オンタリオ州ウィンザーとオークビルの工場の生産を削減していると明らかにした。
「フリーダム・コンボイ」と呼ばれるカナダでのトラック運転手らによる抗議デモは14日目に突入。北米の越境地点で最も交通量が多い米デトロイトと加オンタリオ州ウィンザーを結ぶアンバサダー橋の一部通行遮断が続いているほか、CBCニュースによると、カナダ・マニトバ州と米国を結ぶ主要橋の通行も遮断されているという。
米・カナダ間で取引される年間総額6500億カナダドル(5110億米ドル)相当の商品の3分の2超が陸路で輸送されている。
ミシガン州のウィットマー知事は10日、こうした経済封鎖の解除がカナダの地方・州・連邦政府の急務とし、アンバサダー橋の通行再開に向けた措置を講じるよう呼び掛けた。
また、カナダのデモはフランスやオーストラリア、ニュージーランドにも飛び火している。ニュージーランドの警察当局は10日、新型コロナウイルスのワクチン接種義務化や厳格な感染対策に抗議して国会議事堂の外に3日間居座っている人々の強制排除に乗り出し、120人を逮捕した。
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