April 21, 2020 / 9:40 AM / a month ago

焦点:ヘッジファンド、そろりリスクオン 「極度の不安後退」

[ニューヨーク 21日 ロイター] - 3月の市場の混乱で打撃を受けたヘッジファンドの一部が、そろりとリスクオンに動いている。新型コロナウイルスの流行が米国の一部のホットスポット(一大感染地)で峠を越えたのではないかとの見方が支えになっているようだ。

4月21日、3月の市場の混乱で打撃を受けたヘッジファンドの一部が、そろりとリスクオンに動いている。ニューヨーク証券取引所で3月撮影(2020年 ロイター/Lucas Jackson)

2月と3月は新型コロナに対する懸念でリスク資産が大きく売り込まれたが、HFRXエクイティ・ヘッジ指数によると、ヘッジファンドの3月の運用成績はマイナス9.58%と、S&P総合500種指数のマイナス12.5%を上回っている。

フランクリン・テンプルトン・インベストメンツ傘下のK2アドバイザーズで調査・投資運用の共同責任者を務めるロブ・クリスチャン氏は「ここ2週間、株式ロング・ショート型のファンドの間で、若干のリスクをとる動きが再び出ている。ただ2月や3月初めのリスク水準には戻っていない」と指摘。

「ファンドマネジャーは選別色を強めており、事業が堅調で今後もキャッシュフローが見込める優良企業の株式を買い、インデックスや業績の悪い企業をショートにしている」と述べた。

S&P総合500種指数.SPXは3月23日につけた安値2191.86から反発し、今月20日時点でこの安値から30%値上がりしている。ヘッジファンドも、こうした値動きに追随する形でリスクポジションを再構築しているようだ。

ヘッジファンドのリスク選好度を見る上で参考になる指標の1つが、市場全体の値動きに対する感応度を示すベータ値だ。ノムラによると、世界のファンダメンタル・バリュー型ヘッジファンドの場合、30日移動平均のベータ値で測定した先進国株式市場へのネットエクスポージャーは最近0.8前後と、1月末の0.7弱から上昇している。

モルガン・スタンレーのプライムブローカレッジ部門によると、米国を拠点とするヘッジファンドの場合、どこまでリスクをとっているかを示すネット・レバレッジは、3月の相場下落局面で2010年以来の水準に低下したが、その後は「グロスでもネットでも(レバレッジが)上昇している」という。

複数のアナリストによると、売りが膨らんだ局面で株安を増幅する一因になっているとされるリスクパリティー戦略やCTA(コモディティー・トレーディング・アドバイザー)など、コンピューターのシステム取引を活用するファンドも、最近は買い手に回っている。

一方、マクロ経済動向を把握してインデックス・通貨・金利に投資するグローバルマクロ型のヘッジファンドは売りを継続。

野村証券のクロスアセット・ストラテジスト、高田将成氏はリポートで、株式市場が依然としてシステム系のCTAと、ファンダメンタルズを重視するマクロ投資家の間で、膠着状態にあると指摘。グローバルマクロ型ファンドが買い手に回れば、株式市場が一段と値上がりする可能性があるとの見方を示した。

<極度の不安が後退>

市場が再び安値を試すと予想しているファンドの間でも、一部の銘柄の買いを検討する動きが出ている。

ロサンゼルスを拠点にオルタナティブ投資を行っているヘラクレス・インベストメンツのジェームズ・マクドナルド最高経営責任者(CEO)は、市場が3月の安値に向けて下落すると利益が出るポジションを組んでいる。

マクドナルド氏は、基本的には市場が再び安値を付けた後に、買いを入れる方針だが、USグローバル・ジェッツETF(JETS.P)、ヴァンエック・ベクトル・ゲーミングETF・BJK(BJK.O)、iシェアーズ・エクスパンデッド・テック・ソフトウェアETF(IGV.Z)などに「少しずつ買い」を入れているという。

3月のボラティリティー急騰時に特に大きな打撃を受けたリスクパリティー戦略のファンドは、各市場のボラティリティーなどの動きに合わせて主要資産の組み入れ比率を自動的に調整している。

HFRリスク・パリティー指数によると、ボラティリティーの目標を10-15%にしていたファンドは3月の運用成績がマイナス12.3%と、2008年10月以降で最悪を記録した。

こうしたシステム系のファンドがリスクポジションを取り始めたことについて、投資会社アドバンスト・リサーチ・インベストメント・ソリューションズ(ロサンゼルス)のパートナー、ダミエン・ビザリア氏は、今後こうしたファンドが少しずつ買いを増やし、相場の上昇を支える可能性が十分にあると指摘。ただ、短期的には不安定な相場展開が続く可能性が高いとの見方を示した。

株式に投資するペンシルベニア州のヘッジファンド、バリー・フォージ・キャピタル・マネジメント(VFCM)のポートフォリオマネジャー、デブ・カンテサリア氏は「新型コロナを巡る極度の不安は後退した」と指摘。

VFCMは、格付け会社のムーディーズ(MCO.N)、クレジットカードのマスターカード(MA.N)、クレジットスコアを提供するフェア・アイザック(FICO.N)など、自律的な成長を遂げている企業への投資を増やしている。

VFCMの1-3月の運用成績はマイナス4.9%と、HFRXエクイティ・ヘッジ指数のマイナス13.3%を上回っているという。

ヘッジファンド・リサーチのケン・ハインツ社長は「ファンドマネジャーが感染拡大ペースの鈍化に向けたポジションを構築していくにつれて、リスクオンのエクスポージャーが増えるだろう」との見方を示した。

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