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抗マラリア薬のリスク指摘した研究論文撤回、コロナ治療で データに問題

[ニューヨーク 4日 ロイター] - 抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」が新型コロナウイルス患者の死亡リスク増大と関連があるとした研究報告について、共同著者のうち3人が4日、使われたデータの質と信ぴょう性に疑問があるとして報告を撤回した。

抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」が新型コロナウイルス患者の死亡リスク増大と関連があるとした研究報告について、共同著者のうち3人が4日、使われたデータの質と信ぴょう性に疑問があるとして報告を撤回した。ユタ州プロボで5月撮影(2019年 ロイター/George Frey)

この報告は先月、医学誌ランセットで発表された。

ヒドロキシクロロキンはトランプ米大統領が新型コロナ感染症治療に有望として推奨してきたが。前日には新型コロナウイルスにさらされた後にヒドロキシクロロキンを投与しても効果がないという初の主要臨床試験結果が示された。

この研究は米シカゴの医療データ分析会社サーギスフィア(Surgisphere)がデータを提供した。論文を撤回した3人は、第3者による検証にサーギスフィアがデータ提供しなかったため、「1次データの信ぴょう性をもはや保証できなくなった」と説明した。

4人目の著者でサーギスフィアの最高経営責任者(CEO)であるサパン・デサイ氏は論文撤回についてコメントを控えた。

米ピッツバーグ大学医学部の教授、ワリード・ゲラド医師は「評判が高い医学誌がこのような研究報告を掲載し、その10日後に撤回すれば、不信感を高めるだけだ」と指摘。「ヒドロキシクロロキンを巡る論争を激化させるもので、最も好ましくないことだ」とした。

医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で公表された、サーギスフィアのデータを根拠とする別の研究報告も同じ理由で撤回された。ランセットで発表された研究結果と同様、ハーバード大学医学部のマンディープ・メフラ教授が筆頭著者だった。

世界保健機関(WHO)はランセットに発表された研究報告を受けてヒドロキシクロロキンの臨床試験を中断していたが、3日、再開の意向を表明。他の多数の治験も再開したか近く再開する。

メフラ教授は声明で、同研究で利用したデータ源について、適切かどうかを十分に確かめなかったと説明し、謝罪した。

ランセットで発表された研究報告については、多くの科学者から懸念の声が寄せられ、150人近い医師がランセットに宛てた公開書簡で研究報告の結論について疑義を唱え、発表前の査読者のコメントを公表するよう求めていた。

*内容を追加しました。

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