[ジャカルタ 29日 ロイター] - 国際赤十字社は29日、インドネシアで新型コロナウイルス感染が急拡大している状況について、感染力の強いデルタ株が主流となっており「大惨事」の瀬戸際にあるとの認識を示した。
ここ数日、インドネシアの新型コロナ新規感染者数は1日当たり2万人超を記録している。感染力の高い変異株出現のほか、イスラム教の断食月が終わって移動が増えたことなどが原因。
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)のインドネシア代表、ヤン・ゲルファンド氏は危機的状況を訴え、世界的にワクチンの入手状況を改善するよう求めた。
「レッドゾーン」に指定されている地域の病院は収容能力を超えており、首都ジャカルタでは27日の時点で隔離ベッドが93%埋まるまでになっている。
大規模なワクチン接種が行われているものの、1月以降に2回の接種を受けたのは対象となる1億8150万人のうち1330万人にすぎない。
ストレーツ・タイムズ紙は29日、政府が30日から制限を強化し、レストランでの飲食禁止のほか、航空便を利用する国内旅行ではPCR検査の陰性証明を義務付けると報じた。
インドネシアのルトノ外相は29日、7月に日本からアストラゼネカ製ワクチン200万回分が提供される予定だと明らかにした。インドネシアはこれまでに1億0400万回分のワクチンを受け取っている。
日本政府は29日、アストラ製ワクチンをタイに105万回分、フィリピンに100万回分提供すると明らかにした。
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