[4日 ロイター] - 米製薬大手メルクは4日、同社が米バイオ医薬リッジバック・バイオと開発中の新型コロナウイルス感染症治療薬候補について、臨床試験の初期データが早ければ第1・四半期中に公表できるとの見通しを明らかにした。
同社は先週、新型コロナウイルスワクチン2種類の開発で所期の免疫反応が得られなかったとして打ち切りを発表しており、コロナ治療薬に専念する方針。
コロナ治療薬候補の抗ウイルス薬「モルヌピラビル(Molnupiravir)」は現在、第2/3相臨床試験を実施中で、5月に終了する予定。同社の研究開発部門責任者のディーン・リ氏は電話会見で、初期の治験結果は第1・四半期中に報告できる可能性があると述べた。
同氏はまた、同治療薬が新型コロナウイルスの変異株に対しても有効かどうかを検証する必要があると説明したが、作用機序に基づけば全てのウイルス株に効果があるはずだと語った。
同氏によると、メルクは2021年末までにモルヌピラビルを1000万回分生産する見込み。
<駆虫薬をコロナ治療で使用しないよう警告>
メルクは同日、同社の駆虫薬ストロメクトール(一般名イベルメクチン)を新型コロナウイルス感染症治療に使う可能性について、データを検証したところ、安全性と効果は示されなかったと発表、寄生虫病の治療以外の用途で使用すべきでないと警告した。
イベルメクチンは回虫や線虫など寄生虫病の治療に主に使用されているが、南米ボリビアの都市トリニダードの当局は昨年5月に新型コロナ対策としてイベルメクチンの無料配布を開始。ただ、同国の保健省はコロナ感染症治療での使用に関するデータが不足していると指摘していた。
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