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米ファイザー、コロナ後発薬製造で中国と協議してない=CEO

[9日 ロイター] - 米製薬大手ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は9日、新型コロナウイルス治療薬「パクスロビド」のジェネリック(後発薬)のライセンス供与について中国当局と協議していないと述べた。ただ、価格については協議しているという。

 1月10日 米製薬大手ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は9日、新型コロナウイルス治療薬「パクスロビド」のジェネリック(後発薬)のライセンス供与について中国当局と協議していないと述べた。写真は2022年10月撮影(2023年 ロイター/Wolfgang Rattay)

ロイターは6日、米ファイザーの「パクスロビド」の後発薬を中国国内で製造および販売するライセンスの取得に向け、同社と中国が交渉を進めていると関係筋の話として報じた。

この報道について、ブーラ氏はJPモルガン・ヘルスケア・カンファレンスで「われわれは協議していない。中国におけるパクスロビド生産で既に合意に達している。われわれのためにパクスロビドを生産する地元のパートナーがおり、それを中国市場で販売する」と述べた。

ブーラ氏はファイザーが2022年に数千回分のパクスロビドを中国に出荷したが、過去数週間で供給量を数百万回分に増やしたと明らかにした。

中国国家医療保障局(NHSA)は8日、基本の医療保健制度でカバーされる医薬品にパクスロビドを含めないと発表し、ファイザーが高い価格を要求したためと説明した。

ブーラ氏は多くの中低所得国に対して請求している価格よりも低い価格を中国側が要求したため、交渉が決裂したと明かした。

「中国は世界第2位の経済大国であり、エルサルバドルより低い価格が適切とは思わない」と述べた。

一部の中国メディアはファイザーが交渉でパクスロビドの価格を600元に引き下げたと報じた。これを受けて、中国の規制当局がなぜ受け入れなかったのか、SNS(交流サービス)上で批判や疑問の声が相次いだ。

一方財新は9日、ファイザーは中国の病院向け販売価格の1890元から大幅に価格を引き下げることはなかったと報じた。

国営メディアの環球時報は9日の論説で、中国の新型コロナとの戦いからファイザーが利益を得ようとしていると非難した。

「米資本がワクチンや医薬品の販売を通じて世界中でかなりの財産を蓄えたきたのは周知の事実であり、米政府もずっと協調してきた」と主張。「もし(中国での新型コロナ流行を)気にかけているなら、なぜファイザーは利益の追求を控えて、もう少し誠意をもって中国に協力しないのか」と訴えた。

ブーラ氏は中国での生産は準備中で進展があったとし、目標としてきた年末ではなく、今年前半に生産を開始できる可能性があるとの見通しを示した。

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