[10日 ロイター] - 新型コロナウイルスに再感染すると、ワクチン接種状況にかかわらず、最初の感染時と比べて死亡、入院と深刻な合併症のリスクが著しく増えることを示唆する研究結果が10日、医学誌「ネイチャー・メディシン」で発表された。
米ワシントン大学セントルイス校医学部のジヤド・アルアリー博士は、2020年3月1日から2022年4月6日に収集した米退役軍人省(VA)の退役軍人のデータを分析し、新型コロナの再感染でワクチン接種の有無に関係なく、感染直後の症状と後遺症の両方のリスクが高まると述べた。
再感染患者は、感染1回の患者と比べて死亡リスクは2倍以上、入院リスクは3倍以上それぞれ高かった。また肺、心臓や腎臓疾患、糖尿病、精神疾患などを発症する割合も増えた。感染回数が多いほどこうしたリスクは高まった。
一部の専門家は、退役軍人は高齢で健康問題を抱えた白人男性が多いため、一般の人を代表しているとは言えないと指摘する。
一方で、複数の感染による免疫でより強く防御された人は、一部の合併症を発症するリスクが時間とともに低くなると分析する専門家もいる。
ただアルアリー氏は、旅行や室内での集まりを楽しむ年末年始の休暇の到来を前に、人々に油断せず再感染予防対策を徹底するよう警告した。
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