[ヨハネスブルク 26日 ロイター] - 南アフリカのジョー・ファーラ保健相は26日、同国で新型コロナウイルスの新たな変異株が確認されたことを受け、各国が渡航制限を課したことは不当だとの見解を示した。
同相は会見で、南アは透明性を持って行動しており、渡航禁止は世界保健機関(WHO)の規範や基準に反すると述べた。
これまでのところ、新変異株は南アを中心とした比較的少数の地域でしか検出されていない。
WHOは26日、南アフリカで検出された新型コロナウイルスの新たな変異株「B.1.1.529」を「懸念される変異ウイルス(VOC)」に指定した。
英保健当局によると、新たな変異株「B.1.1.529」はオリジナルのコロナウイルスとは劇的に異なるスパイクタンパク質を持ち、ワクチンの効果が低い可能性があるという。
英政府は26日から南アと隣接するナミビア、ボツワナ、ジンバブエ、レソト、エスワティニの計6カ国からの航空機乗り入れを一時的に禁止し、これらの国から帰国した英国人に隔離を義務付けると発表した。
また英国に続き、欧州や米州でもアフリカ南部からの入国制限を課すなど、対応強化を発表する国が相次いでいる。
英政府の報道官によると、ジョンソン英首相と南アのラマポーザ大統領は26日午後に会談し、往来を再開する方法について話し合った。
南アのパンドール外相は声明で、「われわれの当面の懸念は、この決定が両国の観光産業とビジネスの両方に与えるダメージだ」と指摘。外務省は英国に再考を促す意向を示した。
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