[ワシントン 8日 ロイター] - トランプ米大統領は8日、米国の経済活動を「ビッグバン(大爆発)」的に再開させたい意向を表明した上で、そうするには新型コロナウイルス感染による死者が減少傾向を示す必要があるとの認識を示した。ホワイトハウスでの記者会見で述べた。
米経済再開のめどについては具体的な時期に言及しなかったが、カドロー米国家経済会議(NEC)委員長は7日、4─8週間以内に再開される可能があるとの見解を示した。
トランプ氏と同氏の顧問らは、米国の新型コロナ感染による死者が、先週示した予想の10万─24万人をはるかに下回るとみられる兆候に勇気付けられている。
トランプ氏は、こうした状況を踏まえ「予定より早く進んでいる」と語った。
米経済の再開は段階的になる可能性があるとした上で、「ビッグバン的に再開できれば素晴らしいだろう」と述べた。また感染状況について「減少傾向を示す必要がある」と強調。今後の方針について判断する上で、専門家の意見を重視する意向を示した。
米疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド所長は同日、重要インフラ事業の従事者が新型ウイルスにさらされた後も職務を継続できるようにするため、新たな指針を発表した。
新たな指針は、新型ウイルスにさらされた後、無症状の従事者に対し、マスクの着用、検温、社会的距離の確保を求める内容。
ロイターの集計によると、米国の新型ウイルス感染による死者は、1万4600人に達し、イタリアに次ぎ世界で2番目の高水準となった。米当局は国民に対し今週も多くの死者が出ると警告している。
ペンス副大統領は、記者会見で「われわれは悲嘆に暮れる1週間の最中にある」と述べた。その上で「かすかな希望の光は見えつつある」とし、トランプ大統領が一部の新型ウイルス感染症患者に有効と主張する抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」の臨床試験に3000人が参加すると明らかにした。
*内容を追加しました。
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