[ワシントン 10日 ロイター] - 米下院は10日、バイデン大統領の掲げる1兆9000億ドル規模の新型コロナウイルス追加経済対策法案を再可決した。大統領の署名を経て成立する。
米国の経済対策としては歴史的な規模で、バイデン大統領にとって就任後初の大きな成果となった。
ホワイトハウスは、バイデン大統領が12日に署名すると表明した。上院は通過済み。
法案には大半の国民へ1人当たり1400ドルを直接支給するために4000億ドル、州・地方政府支援向けに3500億ドルが盛り込まれている。子育て世帯の税優遇措置拡大や、ワクチン配布のための支援なども盛った。
最低賃金引き上げは上院が6日に可決した法案で削除された。1400ドルの現金給付は対象者の所得上限を8万ドルとし、受給要件を厳格化した。失業給付の上乗せ額については、下院の当初案に盛り込まれた週400ドルを週300ドルに減額した。
バイデン氏は下院での可決を受け「救済策が用意できた」とツイッターに投稿。イエレン財務長官は声明で、米経済にとって極めて重要な日であり、回復の加速につながるとの見方を示した。
上院民主党トップのシューマー院内総務は「経済的、政治的、さらには政府に対する信頼に至るまで、米国民に大きな影響を及ぼす」と述べた。
法案は賛成220、反対211で通過。民主党議員ではジャレド・ゴールデン議員(メーン州選出)のみが、多額の借り入れによって回復が脅かされるとして反対票を投じた。
共和党では多くの議員がトランプ前政権下でコロナ経済対策を支持したが、今回の法案に賛成票を投じた議員は上下院で1人もいなかった。
新型コロナワクチンの接種が加速し、感染者の増加ペースが鈍化する中、大規模財政出動は景気を大きくけん引するとみられる。
モルガン・スタンレーは今週、2021年の米経済成長率を8.1%と予想。経済協力開発機構(OECD)は今年の米成長率予測を6.5%とし、3カ月前の3.2%から上方修正した。
コロナ経済対策の可決を受け、今後は大型インフラ投資、移民改革、気候変動対策などバイデン政権の次の重要政策に関心が集まる。
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