[ワシントン 24日 ロイター] - 米大統領首席医療顧問を務めるファウチ国立アレルギー・感染症研究所所長は24日、新型コロナウイルスワクチンの正式承認がさらに進み、ワクチン接種が一段と拡大すれば、米国は来年初旬までに新型コロナのパンデミック(世界的大流行)を制御できるとの認識を示した。
ファウチ氏はNBCやMSNBCなどとのインタビューで、米ファイザー・独ビオンテック製の新型コロナワクチンが米当局に正式承認され、ワクチン接種に弾みがつくと期待を表明。米モデルナ製やジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製のワクチンも今後数週間で正式承認され、子どものワクチン接種も秋から初冬にかけ承認される可能性があると述べた。
ファウチ氏は「8000万─9000万人のワクチン接種を受けていない人やためらっている人、接種を受ける機会がなかった人などの圧倒的多数がワクチンを接種すれば、トンネルの先に光が見えてくると確信している」とし、「状況を好転させることができる」と言明した。
さらに、ワクチン接種が加速し、「この冬を乗り越えられれば、2022年春にはウイルスの制御が可能になる」と期待。米イーライリリーやリジェネロン・ファーマシューティカルズ、英グラクソ・スミスクライン(GSK)などが提供する抗体治療薬も積極的に活用すべきとした。抗体治療薬は感染の早期に使用した場合、入院率や死亡率を85%も減らすことができるという。
米食品医薬品局(FDA)は23日、ファイザーとビオンテックが共同開発した新型コロナワクチンを正式承認した。米国で新型コロナワクチンの正式承認は初めて。
ホワイトハウスは、8カ月以上前にワクチン接種を受けた国民に対し、9月下旬から3回目の追加接種(ブースター接種)を行う準備を進めている。新型コロナ対策調整官を務めるジェフ・ザイエンツ氏は、国内の雇用者が今こそワクチン接種を義務付けるべきだと強調した。
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