[ロサンゼルス 25日 ロイター] - 米カリフォルニア州は25日、厳格な外出制限措置を緩和した。新型コロナウイルス感染の急拡大で集中治療室(ICU)の受け入れ余力が限界に達したのを受けて12月に導入していたが、足元は感染拡大ペースが鈍化し、入院患者が減少している。
制限緩和により、これまでテークアウトと宅配に限定されていたレストランの営業は屋外飲食が認められる。ネイルサロンや美容院も制限付きで営業を再開でき、若者のスポーツイベントも一部の再開が認められた。
感染の中心地となっていた同州が、医療逼迫を伴う最悪期を脱した可能性が示された。
他の州ではニューヨーク州のクオモ知事が、感染率が低くとどまれば数日内に制限を緩和すると表明。全米の新規感染者数と入院者数は年末に急増したが、過去2週間は減少に転じている。
カリフォルニア州のニューソム知事は州内の感染率と入院者数は制限導入以来、劇的に減少しており、ICUの収容余力は今後1カ月で最低限必要な水準を大きく上回ると予想されていると説明。
「しかし、われわれは危機を脱したわけではない」と強調し、ワクチン普及で集団免疫が獲得できるまで、マスク着用義務とソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を守るよう訴えた。
また、昨年11月に導入した屋内の集まりなど不要不急の活動を夜間に禁止する措置は州の大半の地域で継続するとした。
ワクチンに関しては、投与ペースを3倍に引き上げ、25日時点で供給量450万回分のうち、240万回分以上の接種を行ったと説明。今後10日間で追加で100万回分の接種を目指すとした。
全米の累計感染者数は2500万人を突破し、死者数は41万9000人近くに上っている。従来のコロナウイルスよりも感染力が強い複数の変異種が出現しているため、専門家は感染の次の波が迫る可能性を警戒している。
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