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コラム

コラム:米9月雇用統計、低調なヘッドラインの裏に明るい材料

[ワシントン 8日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米国民は、新型コロナウイルスがもたらした景気後退を経て、仕事に戻りつつある。たとえ期待されたほど急速なペースではないにしても。9月の事業所調査に基づく非農業部門雇用者数は前月比19万4000人増と、ロイターがまとめたエコノミスト予想の50万人増を大きく下回る伸びだった。しかし家計調査による失業率は4.8%に急低下。米連邦準備理事会(FRB)が急いで経済をクールダウンさせることはないだろうが、同時に先行きに警鐘を鳴らす材料も見当たらない。

 米国民は、新型コロナウイルスがもたらした景気後退を経て、仕事に戻りつつある。たとえ期待されたほど急速なペースではないにしても。2020年6月、ニューヨークの建設現場で撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)

期待外れに見える9月の雇用者数の数字の根底には、幾つか明るいトレンドがある。人口に占める労働者の比率は58.7%と小幅に上昇。7月と8月の雇用者数は上方改定された。今年平均の月間雇用増加幅は56万人前後としっかりした規模だ。

FRBのパウエル議長や他の幹部が注目する分野の1つである黒人の失業率はほぼ1ポイント下がって7.9%となった。引き続き高い水準だが、8月の上昇基調が逆転した。長期失業者数は相当減少している。

パンデミックが経済に未曽有の影響をもたらしたことでほぼ当たり前になったデータの特異性は、今回も見受けられた。普段なら目にするはずの新学期関連の雇用が発生しなかったのだ。9月の政府部門と民間部門の教育関連雇用は季節調整済みベースで18万人減少し、新規採用者数は通常の年より少なくなった。

FRBは11月の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で、毎月1200億ドルの債券買い入れについて年内の減額開始方針を表明する可能性がある。一方利上げはまだかなり先の話だ。今回の雇用統計で、パウエル氏のこうした政策運営を巡る考えが大きく変わることはないかもしれない。

それでも米疾病対策センター(CDC)によると、米国における1日当たり平均の新型コロナウイルス新規感染者数は足元で約9万5000人と、9月時点の16万人強から減っている。議会上院は7日、債務上限を引き上げて12月までの財政資金を確保する法案を可決し、政府がデフォルト(債務不履行)に陥るリスクはいったん遠のいた。つまりさまざまな逆風の一部は弱まっており、経済と雇用の着実な回復が再び加速してもおかしくない。

●背景となるニュース

*米労働省が8日発表した9月の非農業部門雇用者数は前月比19万4000人増だった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は50万人増。失業率は0.4ポイント下がって4.8%、人口に占める労働者の比率は微増の58.7%となった。

*7月と8月の雇用者数はそれぞれ109万1000人増、36万6000人増に改定され、合計で16万9000人が上積みされた。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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