[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米ニューヨーク州のクオモ知事は9日、新型コロナウイルス感染症による新規入院者数が大幅に減少し、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)が奏功している兆候を示しているとの認識を示した。
しかし、州内の新型コロナによる1日の死者数は799人と、3日連続で最多を更新。死者は累計7067人となった。
新規入院者数は200人と、前日の約3分の1の水準に減り、初の感染が確認されてから最少となった。
クオモ知事は、非必須事業の休止や学校閉鎖、ソーシャル・ディスタンシング措置の効果によって、ニューヨーク州では新型コロナ感染者の「増加曲線が平坦化している」との認識をあらためて示した。
ただ、「気を緩めるわけにはいかない」と強調、感染者の増加ペースが落ち着きつつあるのは対策を取った結果だとした。
知事は、ロックダウン措置を緩めることは感染の第2波を招くリスクがあると警告。1918年に始まったスペイン風邪のパンデミックが3波にわたって流行したことに言及した上で、感染拡大防止に向けた「行動を止めれば、数字は増加するだろう。われわれは最悪のシナリオに対処することはできない」と警鐘を鳴らした。
<米国の死者は累計1万6500人超え>
NY州の死者数はここ数日、全米の合計の半分近くに達している。米国の感染者の累計は46万人を超え、世界で最も多い。国内の死者の累計は1万6500人を超えた。
米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は国民に対し、引き続き自宅にとどまることが重要だと強調した。
クオモ知事は今回の危機を2001年9月11日の米同時多発攻撃になぞらえ、「社会に後から後からさざ波のように押し寄せる静かな爆発」だと指摘した。
カリフォルニア州のニューサム知事は、州内で1日当たりの集中治療室(ICU)入室患者数が9日に約2%減少したことを明らかにし、ソーシャル・ディスタンシング措置の効果が表れ、ここ数週間で初めてマイナスになったと説明した。
*内容を追加しました。
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