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最貧国へのコロナワクチン供給、期限短いアストラゼネカ製がネック

[ブリュッセル/ロンドン 16日 ロイター] - 英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンは、保存期間が比較的短く、世界の最貧国へのワクチン展開を困難にしている──。複数の当局者がこのような見解を示したほか、こうした見方を裏付ける世界保健機関(WHO)の内部文書をロイターが確認した。

 英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンは、保存期間が比較的短く、世界の最貧国へのワクチン展開を困難にしている──。複数の当局者がこのような見解を示したほか、こうした見方を裏付けるWHOの内部文書をロイターが確認した。写真はアストラゼネカの新型コロナワクチン。ブエノスアイレスで昨年8月撮影(2022年 ロイター/Agustin Marcarian)

ワクチンの生産量が増加し富裕国が余剰分を寄付する中、アフリカを中心とする一部の国では、大量のワクチンの処理に苦慮するようになっている。

ワクチンの多くは、使用期限まで数カ月、時には数週間しかない状態で届いており、接種を急いでいるが廃棄されることもあり、ナイジェリアでは11月に100万回分ものアストラゼネカ製ワクチンが廃棄された。

ワクチン共有の国際的枠組み「COVAX」のデータや当局者によると、特にアストラゼネカ製の短い保存期間が問題となっている。

中央・西アフリカ19カ国のワクチン在庫を記載した2月6日までの1週間のWHO内部資料によると、大半の国でアストラゼネカ製が期限切れとなった一方、他のメーカーで期限切れは限定的。各国が申告した期限切れワクチンのうち、約130万回分がアストラゼネカ製、28万回分がジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、1万5000回分がモデルナ、1万3000回分がロシアの「スプートニク」だった。

アストラゼネカの広報担当者は、貧困国のワクチン接種を支援する主要企業だと強調し、ワクチンは入念な品質チェックを受けなければならないと指摘。

その上で、COVAX向け供給ではアストラゼネカはファイザーに次ぐが、富裕国からの寄付を含めるとアストラゼネカ製が最も多いとし、「アストラゼネカは全世界で26億回分のワクチンを供給したが、そのうち約3分の2が低・低中所得国向けだ」と述べた。

複数のCOVAXと欧州連合(EU)の関係筋がロイターに語ったところによると、主な問題はアストラゼネカのワクチンの保存期間が瓶詰めされた日からわずか6カ月しかないことで、これはCOVAX向け主要供給元の中で最も短い。同社の品質チェックには数カ月かかることもあるという。

さらに、COVAXの複雑な割り当てシステムや、寄付国がワクチン配布に特定の国を指定することもあって時間が経過し、期限切れまで数週間しか残っていないこともある。

WHOが承認した保存期間によると、J&Jのワクチンは冷凍保存で2年、ファイザーは9カ月、モデルナのワクチンは7カ月となっている。

WHOとCOVAXを共同運営している非営利団体「Gavi」は、アストラゼネカにWHOへの保存期間延長の申請を促しているが、まだ正式な申請には至っていない。アストラゼネカは、ワクチン製造企業のグローバルネットワークが広大でプロセスが複雑と説明している。

Gaviによると、1月下旬のデータではアフリカ諸国は平均で供給ワクチンの3分の2を使用、しかしブルンジは11%、コンゴは15%、マダガスカル、ザンビア、ソマリア、ウガンダなどは3分の1程度にとどまっている。

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