[香港/ロンドン 6日 ロイター] - ロンドン金属取引所(LME)が今年3月、ニッケル価格の高騰を受けて取引の停止・取り消しに踏み切ったことを巡り、ヘッジファンドのエリオット・アソシエーツは4億5600万ドルの損害賠償を求めてLMEを提訴した。LME親会社の香港取引所が6日発表した。
香港取引所の発表資料によると、訴訟はエリオット・アソシエーツとエリオット・インターナショナルが、LMEとLMEクリア・リミテッドを相手取り6月初めに英国の裁判所で起こした。
ウクライナ情勢の緊迫化と対ロシア制裁で供給不安が広がったことから、LMEでは3月8日の取引でニッケル価格が数時間で倍に高騰。LMEは取引停止・取り消しという異例の措置を取った。
エリオット・アソシエーツは取引停止が「違法」で、同社の権利の「侵害に当たる」と主張。
一方、香港取引所は「LMEの経営陣は今回の主張に根拠がないと考えており、徹底的に争う方針」としている。
エリオットの広報は、LMEが「自身の財務事情など関連のない要因を考慮し理不尽で非合理に」対応したと指摘した。
LMEは声明で、取引が秩序を失った場合は市場全体を守る行動をとる必要があると主張。「エリオットの主張は正当な根拠がなく、LMEはいかなる法的審査手続きを果敢に弁論していく」とした。
LMEは先月、相対取引(OTC)の透明性と安定性を向上する措置を提案している。
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