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日経平均は大幅反落、好決算の陰で忍び寄る「マネー過熱」論


*12:20JST 日経平均は大幅反落、好決算の陰で忍び寄る「マネー過熱」論
 日経平均は大幅反落。312.15円安の28323.06円(出来高概算7億1000万株)で前場の取引を終えている。

 27日の米株式市場でNYダウは大幅に5日続落し、633ドル安となった。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も2.6%の下落となり、ともに下げ幅は今年最大だった。航空機のボーイングなどの低調な決算が嫌気され、ゲーム専門店のゲームストップなどで短期の投機取引が加速し、株価変動率が上昇すると金融状況への警戒感から売りが加速。パウエル連邦準備理事会(FRB)議長が当面緩和策を解消する意向はないことを再確認し、金融状況は健全と確認したが、下げは止まらなかった。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで465円安からスタートすると、寄り付き直後には一時27975.85円(659.36円安)まで下落。その後は良好な企業決算を背景に押し目買いが入り、じりじりと下げ幅を縮める展開となった。

 個別では、売買代金トップのソフトバンクG
9984が4%、東エレク8035やエムスリー2413、ソニー6758が2~3%の下落となっている。その他ではトヨタ自7203、任天堂7974、キーエンス6861などが軟調。決算発表銘柄では信越化4063などが売りに押され、NRI4307は下げが目立つ。また、サイバー4751などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、決算で足元の受注好調が評価されたファナック6954は上昇。キヤノン7751やシャープ6753、アンリツ6754も逆行高となっている。三越伊勢丹3099は10-12月期の営業黒字転換、またNOK7240は業績上方修正が好感されて急伸し、中小型株ではJCRファーマ4552が一部報道を巡る思惑から連日の大幅高。エンプラス6961はストップ高水準で前場を折り返している。

 セクターでは、情報・通信業、精密機器、不動産業などが下落率上位。半面、空運業、海運業、鉱業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の59%、対して値上がり銘柄は36%となっている。

 前日の米国株の急落を受け、本日の日経平均は朝方600円を超える下落となる場面もあったものの、その後下げ渋って前場を折り返した。日足チャートを見ると、長めの下ひげを伴った陽線を形成しており、28000円近辺での底堅さが意識されそうなところ。材料出尽くし感などから株価反応はまちまちだが、25日の日本電産
6594を皮切りにここまでの10-12月期決算内容はおおむね良好。バリュエーション水準は決して低くないが、引き続き1株当たり指標の増額が日経平均を後押しすることに期待がかかる。また、米系大手証券が指摘しているが、日欧の個人の株式投資比率はなおピーク時を下回っている。日経平均は29000円手前までの上げ方が急だったため、買い遅れていた投資家が押し目を拾う動きも出てきやすいと考えられる。

 ただ、ここ数日の国内外の金融市場では気になる動きが多かった(担当曜日の関係で後出しの形になったことはご容赦願いたい)。まず26日、香港ハンセン指数の大幅下落とともに日本でも株価指数先物に海外短期筋のものとみられる売りが出た。また、現物株市場では景気敏感セクターからディフェンシブセクターへの資金逃避的な動きも明確に見られた。いずれも久しく目にしていなかった光景だ。この日、中国人民銀行(中央銀行)の短期金融市場での公開市場操作(オペ)は差し引き資金吸収超となり、金融政策委員会の馬駿委員が「中国は年間経済成長目標の設定をやめ、雇用安定とインフレコントロールを主要なマクロ経済政策目標にすべき」との考えを示したなどと伝わっている。

 米国のトランプ前政権は中国と関税引き上げによるいわば「がまん合戦」を繰り広げていた。しかし、そのトランプ前大統領は退任。中国はというと欧米各国との比較で新型コロナウイルスの感染拡大を抑制しており、馬駿委員の発言からも窺えるように「株高による内需刺激」から「インフレ懸念対策」に舵を切った可能性がある。

 また、折しも米国ではゲームストップ株の乱高下がクローズアップされた。同社株を巡っては「未曽有のショート・スクイーズ(玉の締め上げ、海外メディアより)」、が発生、空売り筋が大損害を被る事態となった。「過剰流動性を背景にした異常な値動き」との指摘が多く出ている。バイデン政権や証券取引委員会(SEC)も状況を注視しているというが、とりわけコロナ禍中の投機的な動きに急進左派勢力などがどのような反応を示すかが気になる。

 歴史的に見ると、バブルは市場自ら抑止することはないが、当局が抑制策を講じればあっという間にしぼむ。良好な企業決算を歓迎しつつも、米中当局の動きには注意を払っておく必要があるだろう。(小林大純)
《AK》

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