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日経平均は小幅続落、イベント無難通過も失速、信越化学から窺う景気後退懸念の根深さ


*12:13JST 日経平均は小幅続落、イベント無難通過も失速、信越化学から窺う景気後退懸念の根深さ
 日経平均は小幅続落。2.84円安の26146.71円(出来高概算5億3388万株)で前場の取引を終えている。

 22日の米株式市場ではNYダウが47.12ドル安と小幅反落。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は上院銀行委員会証言でインフレ抑制を強く公約すると同時に景気後退の可能性を否定しなかった。これにより、利上げが想定程には急速に進まないとの思惑から買い戻しが強まる場面があった。バイデン大統領がインフレ対策としてガソリン税免除を議会に提案したことも支援要因となった。しかし、根強い景気後退懸念が上値を抑制し、結局小幅安で終了。ナスダック総合指数も-0.14%と小幅反落。日経平均は14.66円安からスタートも、前日にNYダウ先物の下落を受けて米株安を織り込んでいたこともあり、イベントの無難通過による安心感から上昇転換。朝方には26401.97円(252.42円高)まで上昇した。しかし上値も重く、その後失速すると前引けにかけて再び下落に転じた。

 個別では、郵船
9101や商船三井9104の海運株が大きく下落しており、住友鉱5713、大阪チタ5726、INPEX1605など市況関連株が大幅安。三菱商事8058や丸紅8002など商社株、日本製鉄5401、三菱重7011、コマツ6301、クボタ6326などの景気敏感株も軟調。信越化4063、キーエンス6861など値がさ株の一角も大幅に下落。東エレク8035やアドバンテスト6857などの半導体関連や、新光電工6967、村田製6981などのハイテク株は朝高後に失速して下落転換。新型コロナ治療薬の継続審議が嫌気された塩野義4507は大きく下落している。

 一方、ソフトバンクG
9984、ファーストリテ9983が堅調。東京海上8766が大きく上昇しており、中外製薬4519やアステラス製薬4503などの医薬品、JR西9021、JAL9201などの旅行関連、花王4452や資生堂4911などの内需系がしっかりとした動き。非公開化を巡る買収価格に関する報道が材料視された東芝6502のほか、中国での合弁会社設立を発表したロート製薬4527、今期大幅増益見通しを公表したサツドラホールディングス3544がそれぞれ急伸。また、レーティング格上げが観測されたMonotaRO3064、カルビー2229、鴻池運輸9025、ミクニ7247なども大幅に上昇。

 セクターでは海運、鉱業、非鉄金属が下落率上位となった一方、空運、保険、陸運が上昇率上位となった。東証プライムの値下がり銘柄は全体の34%、対して値上がり銘柄は60%となっている。

 本日は、朝方一時250円程上げた日経平均が結局、前場は下落して終えるなど方向感に乏しい展開となっている。前日、NYダウ先物やナスダック100先物が1%以上下げていたことを受けて既に軟化していたため、パウエル議長の議会証言がサプライズ無く終わり、米株市場も軽微な下げにとどまったことから、本日は買い戻しが優勢になると考えていた。

 しかし、一昨日と同様、日経平均は一時26500円近くまで上昇した後、大きく失速する展開となっており、この水準ではかなり戻り待ちの売りが強い様子。個別株でも、年初来安値圏にある東エレクなど半導体関連株が朝方の上昇を維持できずに下落に転じているあたり、上値の重さはかなり強い印象を抱く。

 また、気掛かりなのは信越化学の動き。高い市場シェアと高収益率を誇り、化学セクターの中では多くの機関投資家がトップピックとしてあげる同社株が、本日4%を超える下落となっており、連日で年初来安値を更新している。日足チャートでは7日連続での陰線形成となり、週足で見ても、チャート形状の悪化が著しい。

 財務健全・高収益のクオリティ株として代表的な同社株がこれだけ売られているのは注目に値する。住宅市場との連動性が高い塩ビ樹脂のほか半導体シリコンなどで世界トップシェアを誇る同社の株価急落は、やはり先週から一段と加速している景気後退を織り込む動きを表していると推察される。ファンダメンタルズに基づく長期目線の実需筋によるこうした景気後退を織り込む動きはまだ続く可能性が高く、当面は押し目買いのチャンスと見るべきでなく、しばらくは売りが一巡するのを待つのが賢明だろう。

 後場の日経平均はもみ合いか。上値の重さが強く意識される一方、心理的な節目の26000円が近づく場面では買いも入りやすく、26000~26500円を意識したレンジ推移が続きそうだ。また、サプライズはないだろうが、今晩は下院にてパウエル議長の議会証言が予定されている。新味な発言があるとは思われないが、内容を確認したいとの思惑が一層動きを乏しくさせると考えられる。(仲村幸浩)


《AK》

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