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日銀政策要因が重しに、29000円近辺での正念場


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;29248.90;-543.15TOPIX;1989.96;-22.25


[後場の投資戦略]

 週明けの日経平均は想定以上の下落となっている。米国でのSLRに関する緩和措置については警戒されてはいたが、大方の市場の声としては、期限延長はされず終了となる可能性が高いのではないかという意見が多かった。そのため、材料が出ても、市場の反応は限定的と考えていた。実際、米国市場でも、確かに金融株は売られたがダウの下落率は0.71%程度にとどまった。

 また、SLR緩和措置が終了されれば、米国債需給が悪化することで長期金利が更に上昇するとの懸念もあったが、前週末の米国市場での10年物米国債利回りは1.75%前後と、ほとんど緩和措置終了の発表前と変わらない水準での推移となった。加えて、金利は高止まりしていたが、同日のナスダック総合指数は0.76%高、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)にいたっては1.18%高と上昇していた。さらに、本日の東京市場では、時間外取引での米長期金利は1.68%前後とむしろ低下してきている。

 そうした中でも、本日の日経平均は一時700円近い下落幅となり、米国株と比べて下落率が大きい。東証株価指数(TOPIX)と比べても下落率が大きいところを見る限り、やはり、前週末の日銀金融政策決定会合において発表された政策修正の影響がまだ響いているようだ。ETFの買い入れ枠「原則年6兆円」という目標値撤廃自体は想定内ではあったが、買い入れ対象から日経平均連動型を除外し、TOPIX連動型のみに絞るとした点はサプライズ感があり、市場も前週末だけでは織り込め切れなかったようだ。

 実際、ファーストリテ
9983やファナック6954のほか、ダイキン6367、信越化4063などの日経平均採用銘柄で値がさ株の下落率が本日は大きい。また、個人投資家による売買が少なくインデックスによる売買動向を表しやすいとされるキッコーマン2801の下落率が4.57%と、前週末の4.0%に引き続き大きいところからも、日銀政策変更による需給面での影響が大きいことが窺える。

 ただ、本日も海運業や鉄鋼は堅調で石油・石炭製品も上昇している。海運については、世界経済の回復に加えて上昇し続けるコンテナ船運賃といった需給のひっ迫感が明確な材料として引き続き買い材料視されているようだ。鉄鋼や石油・石炭製品などの資源関連分野の堅調さはやはりインフレ懸念などを反映したものか。米国での今後最大10年間における予想物価上昇率を示す「ブレークイーブンインフレ率(BEI)」は2.31%と17日の2.30%を超え、2013年4月に付けた2.34%に次ぐ約8年ぶりの高水準を記録している。

 こうした中、かねてからインフレ加速懸念を訴えているサマーズ元米財務長官は、米国が「かなり劇的な財政・金融不調和」に直面していると指摘。向こう数年間でインフレが加速し、米国がスタグフレーション(インフレと景気後退が併存する現象)に陥る確率は3割強と予測したとも伝わっている。力強い景気回復が意識されるなか、インフレの脅威をヘッジできる資源関連株がとりわけ堅調なのは、こうした背景からも窺えよう。

 さて、本日の後場は安値圏でのもみ合い展開となりそうだ。前場の日経平均の下落率は1.82%と一時は2%を超えていたところからやや下げ渋って終えている。TOPIXも下げ幅を縮め1.11%程度で終えている。こうした中、政策修正したばかりの日銀によるETF買いが実施されるかは不透明。値がさ株やグロース(成長)株が軟調ななか引き続き資源関連株が堅調となろう。また、電気・ガス業なども堅調なところから、期末の配当権利取りを狙った買いも強いようだ。財務基盤が良好な高配当利回り銘柄にも引き続き物色が向かいそうだ。
《AK》

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