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CPI上昇一時的?「そんなことない」と市場


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;27628.73;-518.78TOPIX;1866.57;-11.38


[後場の投資戦略]

 一昨日の当欄で「不安定な市場環境が続くことも十分想定して」おくよう述べたが、やはりと言うべきか、日経平均は連日の大幅安となっている。直近のもち合いレンジ下限を割り込み、さらに本日は1月末の安値(27629.80円、取引時間中)を下回る場面もあった。前日の先物手口で外資系証券の売り越しはさほど大きくなかったが、既に海外勢は27400円程度までの下落を見越した株価指数先物・オプションのポジションを構築しているとの市場関係者の話もある。明らかに「売り目線」と言える。一方、個人投資家はというと一昨日触れたとおり、市場全体の信用買いの残高や日経レバETF
1570の純資産総額が高止まりしていた。この急ピッチの株安で少なからぬ打撃を受けているだろう。

 個別の物色動向としては、値がさのグロース(成長)株の下げがきつい一方、インフレ加速やそれに伴う金利上昇を見越し、金融株や市況関連銘柄に押し目買いの動きが見られる。ただ、VIX急騰に見られるように市場全体のボラティリティ(変動率)が高まっているのには注意が必要だろう。ハイテク株投資で知られた米アーク・インベストメント・マネジメントは保有株の急落とともに投資資金の流出に見舞われ、米アップル株などの処分売りを強いられているというが、こうした持ち高削減の動きにはバリュー株も無縁ではいられない。現に前日の米市場ではハイテク株のみならず、幅広い銘柄に売りが出た。

 そもそもかねて当欄で紹介したとおり、「強い(経済・決算)数値を確認したら徐々にリスク削減」しようと身構えていたトレーダーは多い。図らずもインフレ懸念がそうした「リスク削減」の機会につながったということだろう。

 さて、注目された4月の米CPIは市場予想を大きく上回る上昇となった。もともとバイデン政権の積極的な財政支出策に「過剰な需要創出を招く」という批判もあったところ、各種商品の供給問題や価格急騰、それに労働需給のギャップなどが重なったというところか。

 連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長は必要ならインフレ抑制も「躊躇しない」と述べたが、一方で「インフレ率上昇は一時的」との認識を示している。ただ、もはや市場の目線は「FRBが金融緩和を維持するか」でなく、「インフレ過熱などの失敗を招かないか」に移っているのだろう。クラリダ氏がCPI上昇に「驚いた」と発言したことも相まって、FRBの政策に対する市場の評価は厳しさを増している。ここ数日の市場動向には明らかにインフレ上昇が「一時的」でないとの市場参加者の見方がにじみ出ている。

 翻って日本。11日は東証株価指数(TOPIX)の前場下落率が1.98%に達したが、日銀は上場投資信託(ETF)買い入れを実施しなかった(なお、買い入れ基準は前場下落率のみでなくなったとの見方も出てきている)。本日は0.61%の下落で前場を折り返しており、やはりETF買い実施は期待しにくいか。ここにきて実施頻度は大幅に低下しており、「日銀自身がETF買いをどのように評価しているか」という点でFRB同様に難しい局面に差し掛かってきたのかもしれない。また、在宅勤務中の筆者の身の回り報告のようで恐縮だが、本日は妻がどこからか「マヨネーズが値上げするらしい」と聞き入れてスーパーへと走った。やはりコストプッシュによる製品値上げを許容できるほど消費者マインドは強くないだろう。(小林大純)
《AK》

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