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やはり方向感つかみにくい相場・物色動向


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;28030.46;-13.99TOPIX;1896.33;+1.09


[後場の投資戦略]

 本日の日経平均は28000円を挟んでの一進一退で、方向感に乏しい展開となっている。前場の上下の値幅は350円弱とさほど狭いわけでないが、先週来荒い値動きだったため、ややこう着感が出てきたとの印象も受けるだろう。東証1部銘柄の約7割が値上がりしているあたり押し目買い意欲の根強さを感じられるが、大型株が相対的に軟調で株価指数を押し下げているようだ。東証株価指数(TOPIX)も0.06%の上昇にとどまっている。個別・業種別に見ると、半導体関連株の上昇が日経平均を下支えする一方、市況関連株の下げが目立つ。ここまでの東証1部売買代金は1兆円あまりとやや低調。方向感がつかみづらく、積極的な売買を手控える投資家が増えてきた感がある。新興市場ではマザーズ指数が0.02%の上昇で前場を折り返しており、日経平均と同様に前日終値を挟み一進一退の展開だ。

 中国当局による規制をきっかけにビットコインなどの暗号資産が軒並み急落し、一時は時価総額で1兆ドル近くが消失したとみられている。ボスティック氏が「システミックリスクはない」と述べても、その影響に対する懸念は払しょくしづらいだろう。また、急落後の下げ渋りに支持者・保有者は意を強くしているというが、今後も中国に限らず規制強化の動きが出てきて、暗号資産への逆風が続く可能性はある。政策当局者にとって暗号資産の台頭は資本・金融規制の抜け穴になり得ることから、本質的に好ましいことではないだろう。各国の「デジタル法定通貨」構想も暗号資産台頭へのけん制の意味合いが強いと考えられる。

 また、米連邦準備理事会(FRB)要人はこれまで「インフレは一過性」との見方を強調し、現在の大規模な金融緩和策を当面維持する姿勢を示していた。それだけに、今回公表されたFOMC議事要旨で条件付きながら見直し検討の可能性が示唆されたことにはまずまずサプライズ感があったようだ。19日の米10年物ブレークイーブン・インフレ率(期待インフレ率の指標)は2.48%(-0.04pt)に低下。インフレ過熱への懸念はいったん和らいだと言えるが、商品市況の上昇とともに買われていた市況関連株は反動安の様相だ。一昨日の当欄で紹介したように中国が鉄鉱石・鉄鋼価格の上昇抑制に向けた措置を発表したほか、米経済指標の予想下振れが目立つようになってきたことも意識されているようだ。

 金融緩和縮小は高バリュエーションの半導体関連株などにとっても逆風となりそうだが、過去の緩和縮小局面ではハイテク株比率の高いナスダック総合指数がアウトパフォームしていたという分析も伝わっている。やはりここから先の物色の方向感はつかみにくくなりそうだ。

 さて、東京市場では直近の株価急落に伴って年金基金等が資産構成比率の修復を目的とした買いを入れているとの観測がある。発表済みの投資主体別売買動向などを見ると、海外投資家や個人投資家からも現物株の押し目買いが根強く入っていることが推察される。ただ、株式投資家は「下値で買う」タイプであり、相場全体を上向かせるだけのパワーは乏しいだろう。日経平均が一時28500円近くまで上昇した18日、ネット証券売買代金ランキングでは日経レバETF
1570が売り超に転じていた。予想どおり、短期志向の個人投資家はこの水準で早々に利益確定売りを出しているようだ。

 また、前日の先物手口を見るとゴールドマン・サックス証券、BofA証券、クレディ・スイス証券といった外資系証券がTOPIX先物を売り越していた。相場の方向感を決定づける、マクロ系ファンドなどの海外投資家が売り持ち修正に動き出したとは考えにくい。日経平均は目先、上値の重い展開が続くとの見方を維持したい。(小林大純)
《AK》

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