*08:22JST 29000円を挟んだこう着のなかで押し目拾いのスタンスに
28日の日本株市場はこう着感の強い相場展開が見込まれる。25日の米国市場はNYダウが237ドル高だった。連邦準備制度理事会(FRB)が発表したストレステストの結果で大手23行が不況シナリオでも、自己資本比率規制の2倍の資本水準を維持するとの好結果や、バイデン政権が提示しているインフラ投資計画が法制化に向けて前進したことを好感。景気循環株の買いが強まり、NYダウは終日堅調に推移した。一方、長期金利の上昇を受けてハイテク株の買いは後退している。シカゴ日経225先物清算値は大阪比30円安の29010円。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、29000円を挟んだこう着感の強い相場展開が続きそうである。日経225先物のナイトセッションは28960円~29030円での狭いレンジでの推移が続いていたこと、出来高も低水準だったこともあり、方向感を掴みづらくさせそうである。先週末の日経平均は29000円を回復し、週初の下落部分を吸収しており、75日線を僅かに下回って取引を終えている。まずは同水準での底堅さを見極めることになるだろう。
米国ではインフラ投資計画のほか、FRBのストレステストの結果を受けて景気敏感株や金融株が買われている。長期金利の上昇からハイテク株は見送られる格好とはなったものの、インフレ圧力は高まっておらず、売り材料にはならないだろう。また、VIX指数は低下していることもあり、リスク選好の状態であることから、売り仕掛け的な動きの出しづらいところでもある。そのため、短期的に売り仕掛けてくる流れとなるようだと、押し目拾いのスタンスに向かわせそうである。
また、25日の米国では景気敏感株を中心に買われていたものの、国内においては新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が足元で増加傾向にあり、東京五輪を控えて4回目の緊急事態宣言への警戒にも繋がりやすく、米国同様に景気敏感株への物色にはシフトしづらい面もありそうだ。そのため、ハイテクなどグロース株への押し目を狙うスタンスといったところか。その他、日経平均はこう着ながらも29000円処での底堅さが意識されやすく、こう着感の強い相場展開のなか、個人主体の短期値幅取り狙いの資金は、新興市場を中心とした中小型株での物色が強まりやすいと考えられる。
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