*08:29JST 売り一巡後は底堅さを見極めつつ、押し目待ち狙いのスタンスに
8日の日本株市場は、売り優勢の相場展開が見込まれそうだが、売り一巡後は底堅さが意識されそうだ。7日の米国市場はNYダウが574ドル安だった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が上院銀行委での証言で、想定以上に強い経済でピーク金利引上げや利上げペース加速の可能性に言及したため警戒感から売りが先行した。また、長期金利も上昇し、2年債利回りが2007年来の高水準に達したことから、一段と売りが加速した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比115円安の28205円。円相場は1ドル137円10銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まろう。パウエルFRB議長の議会証言を受けて、改めて利上げ長期化への懸念が強まっており、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利上げ観測が不安視されよう。また、パウエルFRB議長はFOMCにおいて、2月の雇用統計と来週のインフレ指標を重視する姿勢を示していることから、経済指標の結果を見極めるまでは、積極的なポジションを取りづらくさせそうだ。
ただし、日経225先物はナイトセッションで一時28460円まで買われる場面が見られ、昨年11月24日に付けた28420円を突破している。その後は米国市場の下落を受けて軟化したものの、いったんは達成感が意識されやすい水準までの上昇によって、利食いは入りやすいだろう。先物市場では週末に先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えていることから、ロールオーバーが中心であるため、仕掛け的な動きは限られる。そのため、売り一巡後は底堅さを見極めつつ、押し目待ち狙いのスタンスに向かわせそうだ。
また、朝方は指数インパクトの大きい値がさ株などが指数の重荷となる可能性はあるだろうが、米国市場では銀行、自動車・同部品、不動産、各種金融、素材の下落が目立っていた。幅広い銘柄が売られるなか、東京市場においてもTOPIX型の売りが意識されやすい。海運などの格下げの動きも観測されており、売り一巡後はハイテクなどグロース銘柄の出遅れ修正に伴う押し目拾いの動きなども意識されそうだ。その他は、個別に材料のある中小型株での個人主体による短期的な値幅取り狙いが中心になりそうだ。
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