January 9, 2020 / 7:17 AM / 12 days ago

中国の「ブロックチェーン+」の国民生活分野における応用の投資(1)【中国問題グローバル研究所】


*16:11JST 中国の「ブロックチェーン+」の国民生活分野における応用の投資(1)【中国問題グローバル研究所】
【中国問題グローバル研究所】は、中国の国際関係や経済などの現状、今後の動向について研究するグローバルシンクタンク。筑波大学名誉教授の遠藤 誉所長を中心として、トランプ政権の ”Committee on the Present Danger: China” の創設メンバーであるアーサー・ウォルドロン教授、北京郵電大学の孫 啓明教授、アナリストのフレイザー・ハウイー氏などが研究員として在籍している。関係各国から研究員を募り、中国問題を調査分析してひとつのプラットフォームを形成。考察をオンライン上のホームページ「中国問題グローバル研究所」(※1)にて配信している。

◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している孫 啓明教授の考察を2回に渡ってお届けする。

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一、 ブロックチェーンの研究開発と応用は、社会のニーズから生まれる

あらゆる技術の研究開発とその応用の普及は、社会の強いニーズから始まる。ブロックチェーンの概念が提唱され、その後の研究の盛り上がりは、2008年リーマン・ショックからの、金融危機の根源的原因に対する世界各国の政府高官と専門家の探求に由来する。

なぜ一つの銀行が破綻すると、世界各国の銀行がドミノ倒しのように倒産するのか?
 なぜ各国における銀行の潜在的な債務危機要因をリアルタイムで人々に呈示できないのか? なぜリーマン・ブラザーズのような100年以上の歴史を持つ銀行でも信頼に値せず、あっけなく破綻してしまうのか? 世界の金融システムがこれほど脆弱である原因は、単一の主権国家が主導する国際通貨体系メカニズムの不透明さと、そのプロセスが操作されることに対する不信にあることを、人々が徐々に認識し始めた。そのため、透明で操作されていない、それでいて各通貨のミクロな利用主体が平等に参入・撤退できる国際通貨体系メカニズムが社会から強く必要とされた。

またそれは、世界各国の目標となり、各国の科学技術研究者が追い求める対象となっている。おそらく謎の人物サトシ・ナカモト本人も、自身が提唱したビットコインとブロックチェーンの概念がこれほどブームとなり、新たな投資のトレンドになることを、予想していなかっただろう。これはすべて社会的ニーズから生じたものだ。

ビットコインは実体のある通貨ではなく、その本質は暗号化されたデータに過ぎない。しかし、その基礎となるブロックチェーン技術と組み合わせると、これまでの物理的通貨と比べて、人々が望む未来の世界通貨の基本的な要素を持つだけでなく、その拡張性もとてつもない。しかもまだ可能性を秘めているのだ。

シリコンバレーの預言者マーク・アンドリーセンが「20年後には、いまインターネットのことを語るような感じでブロックチェーンのことを語っているでしょう」と語っているが、この言葉は今のブロックチェーンを追い求める人々の熱狂ぶりを表している。中国は1994年インターネットに接続してから25年しか経っていないが、インターネットが中国にもたらした影響、変革、利益の大きさは世界の注目を集めている。それは即ち、ブロックチェーン技術の開発と応用をいち早く検討し、着手し、加速する必要があるということを示している。20年後ブロックチェーンが中国と世界にもたらす影響、変革と利益は人々の想像をはるかに超えるものであろう。

二、ブロックチェーンの社会経済におけるコア機能
ブロックチェーンの機能は、技術的な観点からすると、ただの分散型台帳、P2Pのネットワーク、共有可能なコンセンサス、そして暗号化アルゴリズムに過ぎない。しかし経済への応用の観点からすると、その本質は、デジタルデータの利便性と信頼性にあり、即ち信頼できるデジタルデータから、堅牢な信用社会を生み出すことである。別の言い方をすると、ブロックチェーンは信頼できるデジタル方式を利用し、複雑な経済関係をインターネットに持ち込むことができる。この経済活動が社会をより便利、より真実、より透明、より平等にし、その取引コストを削減させることができる。

デジタル通貨の基礎たるブロックチェーン技術は、まだ初期研究開発の段階の未成熟な技術であり、その応用も細部まで完璧ではないため、様々な分野から賛否両論の評価を受けているが、ブロックチェーンそのものが提示した論理から考えると、以下の3つのコア機能は、経済の各分野で注目され、その将来性は無限大である。

まずは、様々な経済活動をデジタル化し、その利便性と信頼性を高まる。ブロックチェーンは、企業のビジネスプロセス、組織活動、ビジネスモデルを体系的かつ徹底的にデジタル化し、企業経営におけるデジタル・コンピテンシーを向上させる。現在、中国の社会信用システムの構築において、パートナー間の信頼醸成の速度は遅く、様々な信用情報へのアクセスは困難で、中小企業は金融機関から信用融資を得るのは難しい。

ブロックチェーンを通じ、各当事者は、簡単に相手の正確な信用情報履歴を照会でき、より迅速に協力メカニズムを確立させることができる。銀行も取引記録に基づき、より安全に企業に対して信用供与ができ、中小企業の信用融資の困難を解決できる。

次に、社会経済のミクロ主体の主張を正しく提示することができる。データの集まりはトップダウンではなく、ボトム アップのため、自然と平等と民主の属性を帯びることとなり、市場メカニズムの需要を反映でき、市場メカニズムの欠陥を発見し、補うことも容易だろう。

さらに、ブロックチェーンは産業チェーンの連携効率を強化できる。産業間の協同発展を促進することは、中国製造がハイエンドへ向かう重要な手段であり、例えば2019 フィンワイズ サミット マカオはでは、地元の経済産業と提携し、マジックチェーン財布(利用者に便利なデジタル資産管理サービスを提供するブロックチェーンソフトウェア)を支払手段とし、ブロックチェーン資産を運用と普及による産業チェーンの提携効率向上が提唱された。

最後に、ブロックチェーンによって、インテリジェントでトレーサビリティ、そして検証可能な改ざんができない企業契約を結ぶことができる。企業は一連の契約の集まりである。企業契約の出資者、経営者と労働者は事前にすべての要素および当事者全員の権利と義務を完全に規定することができないが、ブロックチェーンは三者の真の意図を最大限に記録・伝達でき、そして三者の要求を知能的に整合し、自動に契約を結ぶことができる。そして真の意図の表現および契約を結び、履行する過程はトレーサビリティであり、検証可能かつ改ざん不可だ。ブロックチェーンは、契約をインテリジェント化させることができ、デフォルトや詐欺のリスクを最小限に抑え、誠実な企業と産業環境を構築できる。

上記の4つのポイントにより、社会経済活動の限界費用を大幅に削減し、効率を向上させることができる。だからこそブロックチェーンは注目を集め、評価され、社会経済分野で大いに流行することになった。

※1:grici.or.jp/

この評論は12月27日に執筆

(「中国の「ブロックチェーン+」の国民生活分野における応用の投資(2)【中国問題グローバル研究所】」へ続く)

(写真:ロイター/アフロ)


《SI》

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