June 19, 2020 / 12:58 AM / 13 days ago

新型コロナ第二波で経常収支が改善する国、悪化する国【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】


*09:52JST 新型コロナ第二波で経常収支が改善する国、悪化する国【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】
6月10日、OECDは経済見通しを改定した。今回は通常とは異なり、2種類の前提のもとでの経済見通しが公表された。ウイルスが制御可能になるというシナリオ(感染拡大の単発シナリオ)のもとでは、2020年の世界経済成長率はマイナス6.0%と予想されているが、2020年末までに世界的に新型コロナの第二波が襲来するというシナリオ(双発シナリオ)ではマイナス7.6%と予想されている。2021年については、単発シナリオではプラス5.2%に回復する一方、双発シナリオではプラス2.8%にとどまる見通しである。

2種類のシナリオは、「どちらも同程度に起こりうるシナリオ」という位置づけである。第二波の襲来は全ての国にとって経済的に悪影響を及ぼすため、自明のことではあるが、双発シナリオにおける予想経済成長率は、単発シナリオのものよりも厳しいものとなる。

一方、全世界の経常収支を合算するとゼロであるため、第二波の襲来によってどの国も経常収支が同じ方向で影響を受けるわけではない。2021年のOECD全体の予想経常収支(対GDP比)は、単発シナリオ、双発シナリオともに0.1%の赤字予想で変わらない。しかし、個々の対象国全体に目を移せば、第二波が従来の不均衡を若干改善させる構図のようにも見える。

例えば、中国は単発シナリオでは0.9%の黒字予想であるのに対して双発シナリオでは0.8%の黒字予想、米国は単発シナリオでは2.5%の赤字予想であるのに対して双発シナリオでは2.2%の赤字予想、日本は単発シナリオでは3.7%の黒字予想であるのに対して双発シナリオでは3.5%の黒字予想である。第二波によって経常黒字国の中国と日本では黒字幅が縮小する一方、経常赤字国の米国では赤字幅が縮小し、不均衡の改善に寄与する見通しである。

現時点でさほど大きな変化が予想されているわけではないが、第二波の襲来によって経常収支の改善が見込まれているのはチェコ、チリ、トルコ、オランダ、カナダなど、悪化が見込まれているのはアイルランド、エストニア、デンマーク、ドイツ、ニュージーランドなどである。

(株式会社フィスコ 中村孝也)


《SI》

当コンテンツはFISCOから情報の提供を受けています。掲載情報の著作権は情報提供元に帰属します。記事の無断転載を禁じます。当コンテンツにおけるニュース、取引価格、データなどの情報はあくまでも利用者の個人使用のために提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。当コンテンツの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。提供されたいかなる見解又は意見はFISCOの見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。情報内容には万全を期しておりますが、保証されるものではありませんので、万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、弊社および情報提供元は一切の責任を負いません。

【FISCO】

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below