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中国の宇宙開発の現状と今後の動向(その1)【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】


*16:18JST 中国の宇宙開発の現状と今後の動向(その1)【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】
中国の宇宙開発の実績や関連技術の向上は確実に進捗しており、今後の中国の宇宙開発の動向には目が離せない状況となっている。

中国は1961年8月、毛沢東主席や周恩来総理ら党中央が「宇宙強国」を国家戦略に掲げ、「両弾一星」(両弾とは「核兵器と弾道ミサイル」、一星とは「人工衛星」の意味)との方針を打ち出した。この方針に基づき中国では、1964年に原爆実験実施、1970年に人工衛星「東方紅1号」打ち上げ成功、1971年にICBM発射成功と着実に目標を達成した。その後さらにこの方針を発展させ、中国版GPS「北斗」測位衛星通信網の開設、月の裏側への着陸、独自の宇宙ステーション建設などの具体的目標に向けて宇宙開発に邁進している。

ここ数年の主要国のロケット打ち上げ回数を比較すると、2018年は中国39回、米国31回、ロシア17回、2019年は中国34回、米国21回、ロシア25回、さらに2020年(9月まで)は中国28回、米国23回となっており、中国が3年連続で世界1位の座を確保しそうな勢いである。中国は1993年に国家の宇宙事業を一手に司る「国家航天局」を設立して管理・開発態勢を確立し、1970年代の人工衛星打ち上げ以降も2003年の有人宇宙飛行成功、2013年の月探査機「チャンウ3号」による月面着陸成功など着実に成果を収めている。

ここで、中国の宇宙開発について細部の進捗を見てみよう。2020年6月23日、中国政府は中国版測位システム(GPS)「北斗」の完成を宣言した。中国は北斗で衛星53基を打ち上げ、米国の31基を上回る35基を運用し、現在の誤差5メートル以内の位置精度を中国とその周辺に限りセンチメートル単位まで引き上げ、自動運転技術の開発に活用していく計画だ。また、次世代通信規格「5G」との融合も進めると見られる。さらに、中国メディアによると「北斗」関連特許申請は7万件 、サービスや関連製品の生産に関わる経済規模は2020年に4千億元(約6兆2,600億円)に達する見込みである。

2007年10月、中国は月面探査の第1フェーズとして月上空200kmの周回軌道観測を成功させた。2013年12月には第2フェーズとして「チャンウ3号」が月面軟着陸に成功、2018年には再び月面軟着陸、月面ローバーにて2020年現在まで地表探査継続中であり、さらにアルミ合金密閉容器にて綿花、ジャガイモなどの植物栽培実験を実施している。2020年には第3フェーズとして「チャンウ5号」により、月面の地下数メートルの土壌サンプルを採取し、持ち帰える計画である。その後「チャンウ6~8号」により、長期的ロボットミッションと短期的有人ミッションを継続する。そして2030年代には最終フェーズとして月面に有人研究基地を建設し、植物栽培を含め人類の長期滞在に挑戦する壮大な計画を進めている。一方、北京航空航天大学では、長期間に及ぶ宇宙空間での人類の生命維持や各種影響を調査するための「長期間・高密閉度生命保障実験」を2020年5月に開始した。月面や宇宙空間での長期滞在に備えた万全の準備体制をとっている状況だ。

2003年10月に「ヤン・リーウェイ中佐」は、21時間をかけて地球を14周飛行し、ソ連、米国に次ぐ世界で3番目の有人宇宙飛行に成功した。2005年には、2名の宇宙飛行、2012年には女性1名を含む3名による宇宙飛行に成功し、地球周回軌道上を飛行している天宮1号とのドッキングにも成功した。さらに、2016年には、2名の宇宙飛行士が天宮2号とドッキングし、約1カ月の宇宙滞在に成功している。中国は今後、2022年、中国版宇宙ステーション「天宮号」の稼働に向け着実に準備を進めている。因みに現在地球の周回軌道で稼働している国際宇宙ステーション「ISS」は2024年に運用が終了する予定であり、2024年以降に宇宙ステーションを運用する国は現時点では中国のみとなる見込みである。


《RS》

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