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コラム【新潮流2.0】:指導者たるもの(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆)


*09:41JST コラム【新潮流2.0】:指導者たるもの(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆)
◆米国の第46代大統領にジョー・バイデン氏が確定した。来年1月に就任すれば、アメリカ史上最高齢の大統領となる。バイデン氏の話題となると、なにかと引き合いに出されるのがJ・F・ケネディ元大統領だ。史上最年少で当選したケネディ元大統領と対極だから、ということもあるが実は共通点もある。バイデン氏はフロリダ、オハイオといった「スイングステート」の両方を落として勝利したが、これは1960年のケネディ以来60年ぶりだ。また、ケネディ以来2人目となるカトリックの大統領でもある。

◆そのケネディ元大統領が、尊敬する日本の政治家として挙げたのが上杉鷹山である。米沢藩9代藩主として、質素倹約を掲げ、農村振興、殖産興業を主導し藩の財政立て直しに尽力した。稀代の名君との誉れが高いのは、鷹山自ら質素倹約を心がけたから。食事は一汁一菜、衣服は木綿を着用したという。上杉鷹山と言えば、「隗より始めよ」が真っ先に浮かぶ所以である。

◆「隗より始めよ」の大合唱が起こっている。菅首相がGoToトラベルの全国一時停止を表明した当日の夜に銀座の高級ステーキ店で会食した問題だ。出席者は、新型コロナウイルスの感染リスクが高まるとして政府が注意を促している5人以上の8人。失礼だが、みなさんご高齢だ。そのような高齢者が8人も集まりマスクもしないで会食とは、どういうことか。国民に範を垂れるべき御立場を理解されているとは到底思えない。

◆ドイツのメルケル首相のスピーチが世界的な賞賛を浴びている。コロナが猛威をふるうヨーロッパで、ドイツもまた例外ではなく厳しいロックダウンを迫られている。それを国民に受け入れされるには、国のリーダーによる強く、誠実で、だからこそ響く「言葉」が必要不可欠だ。

◆ケネディの大統領就任演説、「国家が何をしてくれるかではなく、国家のために何ができるかを問うてほしい」は、上杉鷹山にインスパイアされたものであるという。国が緊急事態宣言を出す出さないに関係なく、コロナ禍にあって個々人の行動を律するのは各自のモラルだ。自分が社会のためにできることは何か、ひとりひとりが自分自身で問い直し、それに従って行動する時だろう。それを雄弁に語りかけてくれる、強く誠実なリーダーが、この国にはいないことを非常に残念に思う年の瀬である。

マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆
(出所:12/21配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋)




《HH》

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