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「第5次アーミテージ・ナイ報告書」について(その1)【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】


*09:31JST 「第5次アーミテージ・ナイ報告書」について(その1)【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】
アメリカ・ワシントンDCにある戦略国際問題研究所(CSIS:Center for Strategic and International Studies)は、超党派の非営利政策研究機関である。全世界のシンクタンクをランク付けしたペンシルベニア大学によると防衛、国家安全保障で世界第1位、革新的政策提言で第4位、外交政策、国際関係論で第5位にランクされた米国でも最高峰の1つに挙げられるシンクタンクである。CSISは独立した思考、革新的な思考、誠実さとプロフェッショナリズムを追求し、これまでの研究成果が政策立案者の意思決定に大きく貢献している。2020年12月7日、CSISは「第5次アーミテージ・ナイ報告書」(対日政策提言書)を発表した。

CSISのリチャード・アーミテージ元国務副長官(共和党)とジョセフ・ナイ元国防次官補(民主党)は、「第5次アーミテージ・ナイ報告書」【The U.S.-Japan Alliance in 2020 AN EQUAL ALLIANCE WITH A GLOBAL AGENDA (日米2020年の同盟関係 グローバルな課題を持つ対等な同盟)】において日米同盟に関する提言を行った。その構成は、「序章」、「安全保障同盟の推進」、「パートナーシップと連合の拡大」、「経済技術協力の強化」および「結論」となっており、2000年、07年、12年、18年に続く5回目の報告となった。

アーミテージ氏は、「序章」において「2021年バイデン次期政権が発足するこの機会に、日本と米国の同盟関係が新たなステップを迎え、日本が自由貿易や多国間協調で対等な役割を担うようになった」と強調した。「特に安倍前首相の功績は大きく、憲法9条の再解釈により集団的自衛権行使を容認し、環太平洋パートナーシップ協定の完成、自由で開かれたインド太平洋構想の策定など、日本の革新的でダイナミックな地域リーダーシップにより、米国をはじめアジア地域に大きな利益をもたらした」と総括した。これを引き継ぐ菅義偉首相の努力を熱烈に支持するとともに、バイデン次期大統領と最も早く首脳会談を行う訪問者の一人になるよう推奨した。

「安全保障同盟の推進」の章では、「日本は必要不可欠で対等な同盟国になっただけでなく、戦略概念の創造者として、『自由で開かれたインド太平洋コンセプト』など地域のパートナーシップのネットワーク化までやってのけた」と日本のイニシアティブを絶賛している。そして「日米同盟にとって最大の安全保障上の課題は『中国』である」と断言。「アジアの現状を変更しようとする中国の行動に対し、ほとんどの近隣諸国の間で安全保障上の懸念が高まっている」と分析している。「米国の尖閣諸島への日米安保条約第5条適用のコミットメントは、尖閣諸島防衛のための軍事力を強化し、共同計画の策定に繋がるだろう」と見積もっている。米国のコミットメントは、尖閣諸島の防衛が日米同盟の重要な部分であると認識している証左とも述べている。

「第二の地域安全保障上の懸念は『北朝鮮』である。25年間の外交の失敗により北朝鮮の非核化は短期的には非現実的な課題となった。今後は、核武装した北朝鮮をどのように封じ込めるかという戦略を優先すべきだ」と述べている。「金正恩は、自殺願望があるわけではなく、政権の存続を求めているのである。従って、簡単ではないが、抑止と封じ込めは可能である」と結論付けている。


サンタフェ総研上席研究員 將司 覚
防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。P-3C操縦士、飛行隊長、航空隊司令歴任、国連PKO訓練参加、カンボジアPKO参加、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動教訓収集参加。米国海軍勲功章受賞。2011年退官後、大手自動車メーカー海外危機管理支援業務従事。2020年から現職。


《RS》

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