*07:31JST NYの視点:それでもインフレ関連指標に対する市場の関心は高い?
6月10日に発表された米国の5月消費者物価コア指数は、前年比+3.8%で上昇率は市場予想の同比+3.5%程度を上回った。総合指数は前年比+5.0%と市場予想を上回る伸びを記録した。5月消費者物価指数が市場予想を上回ったことから、米国債券市場では長期債利回りが一時反発したが、まもなく反落し、取引終了時点にかけて一段と低下した。
市場関係者の間では「前年比ベースの物価上昇率は6月か7月以降、鈍化する」との見方が広がっている。時期は多少異なるが、イエレン米財務長官はしばらく前に「前年比べースでの消費者物価指数の高止まりは9月頃まで続く可能性がある」との見方を示している。それでも「インフレ率の上昇は一過性の現象に過ぎない」との見方を変えていない。
市場参加者の間では「米連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和策の縮小開始は2022年になるだろうが、相応の材料が必要になる」との声が聞かれている。量的緩和策の早期縮小観測は一段と後退しつつある。それでもインフレ関連指標に対する市場の関心は高いようだ。インフラ投資計画の規模縮小や増税回避の成否についても債券市場参加者などはそれなりの関心を持っている。ある市場参加者は「バイデン大統領が提示した大規模なインフラ投資計画が最終的にどの程度の規模になるのか、長期金利の動向にもかなりの影響を及ぼすことになると思うので注目したい」と語っている。
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